監査法人の転職時期はいつが最適?年次・季節別のベストタイミング

この記事は以下の方におすすめ
・監査法人からいつ転職すべきか具体的なタイミングを迷っている方
・修了考査前やインチャージ経験前に辞めるべきか悩んでいる若手会計士の方
・繁忙期やボーナス時期など、損をしない転職のスケジュールを知りたい方
とむやむくん監査法人からの転職、残念がら多いのが現状です。では時期としてはいつ最適なんでしょうか…?
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
さて、監査法人での繁忙期がひと段落すると、多くの公認会計士が一度は頭を悩ませるのが、
「この監査法人いつ辞めよう…?」
という転職の最適な時期についてです。
監査法人の仕事は年間を通じて繁忙期と閑散期の差が激しいことや、
また年次によって積める経験が全然違うため、
転職に踏み切る時期によってはその後のキャリアや採用市場での評価が大きく変わってきてしまいます。
(まあ、転職エージェントとしては年中転職させようとしてくると思いますけど)
この記事では、公認会計士が監査法人から転職する際のベストな時期について、
年次別のキャリアのタイミングと、カレンダー上の季節や時期の2つの視点から解説していきます。
年次別:監査法人から転職するベストタイミング
まず考慮すべきは、あなたが監査法人で何年目の年次にあり、どのような経験を積んでいるかというキャリアのタイミングです。
一般的に、監査法人での年次が上がるにつれて、転職先で求められる役割や市場価値がかなり変化します。
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J1・J2(スタッフ1〜2年目):ポテンシャル採用を狙う時期
論文式試験に合格して間もないJ1やJ2の時期は、まだ監査の実務経験が浅いため、転職市場ではポテンシャル(将来性)を重視した採用がメインとなります。
この時期に転職を検討する場合の最大のメリットは、(ご年齢にもよりますが)新しい業界や職種へのキャリアチェンジがしやすい点です。
例えば、未経験から未上場ベンチャー企業の経理、総合コンサルティングファームなどに挑戦したい場合、監査法人の色が染まりきっていない20代前半の若さは武器になります。
一方で、監査の全体像や調書の作成スキルの基礎がまだ固まっていないため、大手上場企業の経理マネージャー候補といった、即戦力を求める求人への転職は難しくなる傾向があります。
明確に行きたい業界が決まっている場合を除き、J1・J2での転職は少し慎重に見極める必要があります。
J3(スタッフ3年目・修了考査前後):最も選択肢が広がる時期
多くの若手会計士にとって、最初の大きな転職のチャンスとなるのがJ3(スタッフ3年目)の時期です。
この時期は、一通りの監査実務を経験し、現場の主担当(インチャージ)の補助や、小規模な会社の主導的な役割を経験し始めるタイミングです。
さらに、12月には公認会計士としての最終関門である修了考査が控えています。そのため、この時期の転職には大きく分けて2つのパターンが存在します。
修了考査の前に転職する場合
修了考査の前に監査法人を辞めるメリットは、試験勉強のためのまとまった時間を確保しやすい企業を選んで転職できる点です。
(監査法人で充実した試験休暇を取得可能な場合は、この限りではありません)
監査法人の残業があまりにも多く、このままでは修了考査の勉強時間を確保できないと危機感を抱いた若手が、残業の少ない一般企業の経理などに夏頃までに転職するケースが見られます。
ただし、転職直後の新しい環境で慣れない実務をこなしながら、12月の試験勉強を並行するのは精神的・体力的に相応の負担がかかるというリスクも考慮しなければなりません。
修了考査の後に転職する場合
実務上、最も多くのJ3が選ぶのが、12月の修了考査を終えた直後、あるいは翌年4月の合格発表を待ってからの時期です。
公認会計士の登録要件をほぼ満たした状態、あるいは正式に登録が完了した状態で転職活動ができるため、採用企業側からの信頼感は抜群に高くなります。
一般企業の経理・財務はもちろん、FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)や経営コンサルティングファームなど、
会計士を欲しがる主要な転職先の大半において、高く評価され、選択肢が最大化するベストな時期と言えます。
とむやむくんこの修了考査後の転職相談が一番多いです、そして皆様とっても優秀です(私なんかより遥かに)
シニア(スタッフ4年目以降・インチャージ経験後):即戦力として最も市場価値が高まる時期
監査法人でシニアスタッフに昇格し、インチャージ(現場責任者)を経験した後の時期は、転職市場における公認会計士の市場価値が最も高く評価されるタイミングです。
インチャージとして監査チームをまとめ、クライアントの経理部長やCFOと直接折衝を行った経験は、どの企業に行っても通用する高度なプロジェクトマネジメント能力として高く評価されます。
一般企業の経理マネージャー候補や、FASでのM&Aアドバイザリー業務、さらにはスタートアップ企業のCFO候補など、非常に魅力的なハイクラス求人への門戸が一気に開かれます。
もしあなたが現在スタッフ層であり、監査法人に特段の不満がないのであれば、「インチャージを1〜2年経験するまで」は法人に残るという選択は、その後のキャリアを盤石にする上で非常に賢明な判断と言えます。
とむやむくん「主査経験」があるかどうかで、常勤であれば年収、非常勤であれば時給が大きく変わります。少しでもいい待遇で、ということであれば主査経験をしてからの転職がいいかもしれません。
マネージャー層:より高いマネジメントスキルが求められる時期
マネージャー以上に昇格してからの転職は、スタッフやシニア時代とは全く異なる評価軸となります。
実務能力だけでなく、部門の予算管理やメンバーの育成といった、純粋な組織マネジメントの経験も問われるようになります。
年収レンジも高くなるため、転職先は上場企業の経理部長や内部監査室長、あるいはコンサルティングファームのマネージャー以上のポジションが増えてきます。
市場価値としては高まるものの、それに伴い求人の要件も厳しくなるため、自分の経歴と合致する求人をじっくりと探す中長期的な視点が必要になります。
季節・カレンダー別:年間を通じた監査法人の転職タイミング
監査法人からの転職において、年次と同じくらい重要なのが「1年の中のどの月に動くか」という季節的なタイミングです。
採用企業側も監査法人の年間スケジュールを熟知しているため、特定の時期に求人が集中する傾向があります。
6月〜7月(春の繁忙期明け):求人が最も活発化する最大のチャンス
1年の中で、監査法人からの転職市場が最も活発になるのが、3月決算企業の期末監査が終わった直後の6月から7月にかけての時期です。
この時期は、過酷な繁忙期を乗り越えた会計士たちが「次の繁忙期はもう経験したくない」と一斉に転職活動を始めるタイミングです。
(私のような転職エージェントが忙しくなる時期でもあります)
事業会社やコンサルティングファームなどの採用企業側もこの動きを当然把握していますから、「繁忙期明けの優秀な会計士」をターゲットにした好条件の求人を公開し始めたりします。
また、夏のボーナス(賞与)の支給月や、法人内の次年度の人事評価・昇格発表が6月〜7月に行われることが多いため、
「ボーナスをもらってから辞める」「昇格できなかったから見切りをつける」といった実務上の区切りとしても非常にキリが良いのが特徴です。
選択肢の多さを優先するなら、間違いなくこの6月〜7月がベストな時期と言えます。
8月〜9月(論文式試験後・定期採用期):監査法人間の移動が盛んな時期
8月下旬の公認会計士論文式試験が終わると、各監査法人の定期採用活動が本格化します。
この時期は、他のBIG4や中堅監査法人への横滑りの転職(同業他社への転職)を考えている人にとって、動きやすいタイミングです。
ただし、一般企業やコンサルティングファームへの転職枠については、6月〜7月に動いた層によって優良求人がすでに埋まり始めている可能性があるため、少しスピード感を持って情報収集にあたる必要があります。
12月〜1月(冬のボーナス・修了考査後):年明け入社を狙う時期
12月の修了考査が終わったタイミングや、冬のボーナスを受け取った後に転職活動を本格化させる層も一定数存在します。
この時期は、事業会社側も4月入社(新年度スタート)に向けた中途採用の求人を出し始めるため、春からの新しいスタートを切りたい場合には適したタイミングです。
ただし、監査法人は第3四半期レビューや期末監査に向けた準備が徐々に始まる時期でもあるため、退職時期の交渉や引き継ぎのスケジュール調整には十分な配慮が必要になります。
監査法人を円満に退職するためのスケジュールと注意点
転職する時期が決まり、内定を獲得した後は、現職である監査法人を円満に退職するためのスケジュールを逆算して立てる必要があります。
繁忙期(4月〜5月)の退職は極力避ける
監査業界の暗黙の了解として、期末監査のピークである4月から5月にかけての退職は、残されたチームメンバーやクライアントに迷惑をかける可能性があるため、極力避けるべきです。
(まあ大体この時期の退職は避けて転職活動をします)
もし春に入社する企業へ転職が決まった場合でも、可能であれば3月末までの退職とするか、
あるいは繁忙期が完全に明けた6月以降の入社にしてもらえるよう、転職先の人事と入社日の交渉を行うのがプロフェッショナルとしてのマナーとも言えます。
いやいやどうせ辞めるところのことなんて知らない!というお気持ちはわかるのですが…。この業界、本当に狭い、ので転職後のあなたの業務に支障出ることもありますから、できる限り円満な退職をするようにしましょう。
退職の意思表示は余裕を持って行う
監査法人の就業規則では「退職の1ヶ月前までに申し出る」と規定されていることが多いですが、
担当しているクライアントの規模や数によっては、1ヶ月での引き継ぎが不可能なケースも多々あります。
特にインチャージを任されている場合、次のインチャージへの引き継ぎやクライアントへの挨拶などなど、
最低でも2ヶ月から3ヶ月前にはパートナーや担当マネージャーに退職の意思を伝えておくのが理想的です。
まとめ:あなたにとっての「最適な転職時期」を見極めよう
監査法人からの転職は、
「J3の修了考査後」や「シニアでのインチャージ経験後」といった監査のキャリアがある程度成熟した時期と、
「6月〜7月の繁忙期明け」という求人市場のトレンドを掛け合わせてタイミングを測るのが最も確実な戦略です。
ですが!
一番大切なのは「あなた自身が次に何をやりたいか」、そして「心身の健康が保たれているか」です。
周りが一斉に転職しているからと焦る必要もありませんし、逆に激務で限界を感じているのに「インチャージをやるまでは…」と無理をして心身を壊してしまっては元も子もありません。
現在の自分の市場価値を客観的に知り、数年先のキャリアプランから逆算して、あなただけのベストなタイミングを見極めてください。
監査法人からのキャリアチェンジに迷ったら、お気軽にご相談ください
「自分は今転職すべきタイミングなのだろうか」「スタッフ年次で外に飛び出しても、希望するキャリアは描けるのだろうか」と、一人で悩みを抱えていらっしゃらないでしょうか。
私自身も公認会計士として様々な実務やキャリアの分岐点を経験しておりますし、多くの会計士・受験生の皆様からキャリアに関するご相談を受けています。
転職エージェントに登録するのもいいとは思いますが(まあ私も転職エージェントやってますが)、ぜひ一度お気軽に私までご相談ください。
同じ会計士の目線から、あなたが後悔しない選択ができるよう、実体験を交えながら全力でサポートさせていただきます。
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