・公認会計士試験短答式「企業法」の効率的な勉強方法が知りたい方
・最新の合格者が実践していた「リアルなテキスト・問題集の使い方」が知りたい方
・暗記が苦手で、本番のひっかけ問題にどうしても引っかかってしまう方

短答式企業法、最強の勉強法について解説します。
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、転職支援も実施中
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
私のX(旧Twitter)にて、『予備校を介さない本音ベースの短答式合格体験記』を募集したところ、今年もたくさんのご応募をいただきました。
今回はご応募いただいた生々しい合格体験記を徹底的に集計・分析し、
最新の合格者たちが実際にやっていた「公認会計士試験 短答式企業法の最強の勉強方法」
ということで、圧倒的なボリュームと熱量でまとめさせていただきました。
(以下「COMMENT」という四角囲いの箇所は私が収集した合格体験記からの抜粋になります)
・講義視聴後、すぐに問題集を解き、出題箇所と間違いを「テキスト」に書き込む(情報の一元化)
・A・Bランクの重要論点を徹底的に固め、Cランクは出題実績のあるものに絞る(強弱をつける)
・テキストは「全部精読」するのではなく、問題集で出た箇所を重点的にさらう
・直前期は「新しい知識には一切触れず」、付箋や色ペンでマークした弱点のみを高速回転させる
☆この記事の信頼性について
筆者は公認会計士であり、自ら収集した合格体験記を元に、プロの目線で「なぜその勉強法が受かるのか」を分析・掲載しております。
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【結論】最新の合格体験記から見えた「短答式企業法」勉強法の王道ルート
いきなりですが、数多くの合格体験記を読み解いて見えてきた「合格者に共通する王道ルート」からお伝えします。
企業法はもちろんただ闇雲に暗記すれば受かる科目ではありません。
合格者の方は、共通した「戦略」を持って企業法と向き合っていることがわかりました。
合格者に共通する「究極の武器」:情報の一元化の具体的テクニック
最新の合格体験記を分析して最も際立っていたのは、学習のすべてを「テキストやコンサマ(コンパクトサマリー)への一元化」に集約させている点です。
合格者の言う「情報の一元化」とは、単にテキストにマーカーを引くような作業ではありません。
「自分がどこで間違え、出題者にどう騙されたか」の痕跡等をすべて1冊の教材に集約し、自分専用の言わば『弱点辞典』を作り上げる緻密な作業です。
具体的に合格者がテキストに何を書き込み、どう一元化していたのか、リアルな声を見てみましょう。
【公認会計士の考察:一元化の3つの具体的手順】
合格者の体験記から読み取れる「正しい一元化のプロセス」は、具体的に以下の3ステップに分解できます。
①「ひっかけのパターン」を直接テキストに書き込む
問題集で間違えた際、「✕」をつけるだけで終わらせてはいけません。
例えば「監査役が正解なのに、問題文では取締役にすり替えられていた」といった
【出題者のひっかけパターン】を、テキストの該当箇所に直接書き込みます。
これにより、テキストを読むだけで「本番ではここがどう問われるか」を常に意識できるようになります。
②「ラッキー正解」や「迷い」もすべて反映する
合格者の方は、「正解していても迷ってしまった事項はすべて反映させる」そこまで徹底している方も多いです。
スムーズに回答できなかったということは、どこかしら知識があいまい、もしくは抜けている可能性が大いにあります。
そしてなんとなく正解、としてしまった箇所は本番の長緊張状態でほぼほぼ間違えます。
少しでも知識が曖昧だと感じた箇所は、妥協なく一元化教材(テキストやコンサマ)に情報を集約しています。
(どう間違えたのか、等を記載しておくといいです)
③「専用ペン」と「付箋」による視覚的な弱点管理
一元化教材をさらに強力にするのが視覚的な工夫です。
通常のインプットのマーカーとは別に、「自分が間違えた箇所専用の特別な色のペン」を用意し、テキストに書き込んでいます。
さらに、自分の弱点が集中して真っ赤になったページには「付箋」を貼り、直前期にはその付箋のページだけを高速回転させる。
最終的に自分が試験会場に持っていく「一元化された1冊」が最強の教材になるように作りこんでいくことが重要です。
④可能であれば「答練出題箇所」「頻出箇所」もマークしておく
答練は予備校が総力を挙げて作り出す最強の模擬テストです。
ここで出題された論点は次の試験でもちろん最も注意すべきところです
(さすがにそのままの問題が出ることはありませんが、論点としては重要です)
なのでこの答練出題箇所、そして過去問での頻出箇所をテキストにマークしておくと
再度テキストを読み込む際に一見して重要箇所がわかるのでおすすめです。
合格者に共通する「強弱」のつけ方
合格者の方は、「すべてを完璧にしようとするのはやめるべき」と語っています。
まあ当然といえば当然なのですが(あの分量ですからね…)実際の声を見てみましょう。
・ABは漏れなく確実に。Cは問題集答練で触れたところや講義で触れたところは科目問わずやった。(逆にそれ以外のC、Dは目を通すくらい)
・AB論点+自力で解けるC論点+出題実績のあるC論点。解説を聞かないとわからないC論点や、出題実績のないC論点は手をつけなかった。
・AB論点は当然に全て。企業の金商法もCは全切りしました。
【公認会計士の考察】
短答式企業法の範囲は膨大です。
テキストの隅から隅まで(Cランク・Dランクまで)暗記しようとすると、
確実に消化不良を起こし、絶対に落としてはいけないAランク論点の知識まで曖昧になります。
合格者の方は「企業法は知っているかどうかで結果が大きく分かれる」と理解しつつも、
「出題可能性の高いA・Bランクを確実に得点できれば合格ライン(8割)は十分に超えられる」ということを知っています。
Cランクについては「講義で触れられた箇所」や「過去問・答練で出た箇所」のみをつまみ食いし、
それ以外は捨てるという「強弱(メリハリ)」こそが、情報過多を防ぎ、確実な得点源にするための最大のカギと言えます。

C論点までやるのかについては本当に色々な声が聞かれました。今回は回答の多かったものを抜粋しています(A論点のみ、もしくはC論点まで全部!という方もどちらもいらっしゃいました)
企業法は「1日〇時間」で短期決戦を狙うのが正解
次に、合格者たちが「企業法にどれくらいの時間を割いていたのか」というリアルなデータを見てみましょう。
合格者の方の勉強時間を集計した結果、以下の通りとなりました。

| 累計勉強時間 | 割合 |
| ~300時間 | 22% |
| 301~500時間 | 48% |
| 501~1000時間 | 13% |
| 1001時間~1500時間 | 9% |
| 1501時間~ | 9% |
| 1日の勉強時間 | 割合 |
| ~0.5時間 | 17% |
| 0.6~0.8時間 | 22% |
| 0.9~1.0時間 | 22% |
| 1.1時間~1.5時間 | 17% |
| 1.6時間~ | 22% |
最も多い勉強時間は
「累計:301~500時間」
「1日の勉強時間:0.6~0.8時間(36~48分)0.9~1.0時間(54~60分)1.6時間~(96分~)」
平均値でとると
累計:622.5時間
1日の勉強時間:1.06時間
となりました。
ちなみに合格者の各科目の時間の振り分けとしてはこんな感じです。
| 全体勉強時間を100%とした場合の科目別割り振り(平均値) | 割合 |
| 財務会計論(計算) | 約25〜30% |
| 管理会計論(計算) | 約15〜25% |
| 財務会計論(理論) | 約15〜20% |
| 企業法 | 約15〜20% |
| 監査論 | 約15% |
| 管理会計論(理論) | 約5〜10% |
暗記系科目の中では財務会計論の次に時間をかけられていることがわかります。
各科目の累計時間・1日の勉強時間は以下の通りです。

| 短答式累計勉強時間(合格者平均) | 時間 |
| 企業法 | 622.5時間 |
| 管理会計論(計算) | 499.8時間 |
| 管理会計論(理論) | 228.0時間 |
| 監査論 | 551.3時間 |
| 財務会計論(計算) | 722.2時間 |
| 財務会計論(理論) | 592.7時間 |
| 短答式1日の勉強時間(合格者平均) | 時間 |
| 企業法 | 1.06時間 |
| 管理会計論(計算) | 1.01時間 |
| 管理会計論(理論) | 0.44時間 |
| 監査論 | 0.95時間 |
| 財務会計論(計算) | 1.62時間 |
| 財務会計論(理論) | 1.03時間 |
他科目(財務会計論、管理会計論)と比較しても、
1日に1時間以上かけて企業法を勉強している方は少数派です。
しかし、これはあくまで「通常期」の話です。
いざ本試験が近づくと、暗記科目である企業法の戦い方は一変します。
・問題集の高速回転。結局これです。短答は直前に見てれば勝てる言わばしょうもないゲームである側面もあります。間違えたとこで大丈夫です。回しましょう。
【公認会計士の考察】
暗記科目の本質を突いた素晴らしいデータだと思います。
(めちゃくちゃ時間かけている人が多かったらどうしようかと思っていました)
通常期に企業法に何時間もかけてしまうと、計算科目(財務・管理)の感覚が鈍り、
特に財務会計論は配点が高くなっているので足元をすくわれてしまいます。
そのため、通常期は「1日1時間未満」で隙間時間を使って忘却を防ぐ(メンテナンスする)程度に留めるのが正解です。
しかし、人間の脳はすぐに忘れます、ほんとーーーに忘れます。
試験の直前までメンテナンスが必要です、直前期の「圧倒的な詰め込み」は超重要です。
ここから覚え始めるのではもちろん遅いのですが、
「直前に見ていれば勝てる」という言葉の通り、これまで作り込んできた一元化教材を、本番直前に脳内へ一気に「再度」流し込む。
これが合格者のタイムマネジメントの真髄ともいえるでしょう。
時期別!短答式企業法を突破するための学習ステップ
ここからは、合格者たちが「どの時期に」「何を」「どうやって」勉強していたのか、
学習ステップを時系列で解説していきます。
【初期】講義視聴とテキストの「作り込み」(インプット期)
学習の初期段階では、単に講義を聴き流すのではなく、
「いかに自分の言葉で事象を理由と共に説明できる状態になっておくか」が極めて重要です。
・企業法は、条文や結論を表面的に暗記するのではなく、制度の趣旨を理解することを重視して学習しました。なぜその規制が置かれているのか、どのような利益調整を図っているのかを意識することで、細かな知識も整理しやすくなりました。
・jijiたん(平木先生)の授業を選択しました。スライドで全体像を素早くキャッチアップすることを意識しました。
【公認会計士の考察】
企業法で最もやってはいけないのが「初手からの丸暗記」です(どうせ忘れます)
「なぜその条文が存在するのか(制度趣旨)」
「誰を守るための法律なのか(株主か、債権者か)」
という背景を理解することが重要です。
これを理解せずに文字列だけを暗記しても、本番の少しひねられた問題(ひっかけ肢)で確実に対応できなくなります。
初期のインプット期は、焦って問題集を回すよりも「理解」に徹するべきです。
講義中の講師の余談やスライドの図解、制度の趣旨をテキストの余白に書き込み、
「自分専用の最強の参考書」へと育てていく。
これが、後々の回転スピードを爆発的に引き上げる土台となります。
【中期】「問題集→テキスト」の反復と往復(アウトプット期)
講義が終わった後は、すぐにアウトプットに移行します。
合格者の体験記からは、「問題集を解くタイミング」と「情報の集約方法」に特徴がありました。
・「テキスト復習→問題集」ではなく「問題集→テキスト復習」という順番でやっていた。問題を解いてからテキストを読んだ方が、ダラダラ流し読みするのではなく目的意識を持って読むことができた。
・最初に問題を解く時に、肢別に○△×で分類してたので、○はノータッチで△×のみを復習すれば良い状態にして効率化してました。
・肢別で○×理由を必ず言語化するようにしていました。「なんでこれがバツなのか? 大体結論を似た論点の答えに入れ替えるのが典型的な引っ掛けパターンだったので、バツはどの論点の答えから持ってきているのか?」などあれこれ考えてました。
【公認会計士の考察】
多くの合格者が「テキストをじっくり読んでから問題を解く」のではなく、
「問題を解いてからテキストに戻る」というアプローチを採用しています。
自分がどこを理解していないか(=問題集で間違えた箇所)を明確にしてからテキストを読むことで、脳が「ここは重要だ!」と認識しやすくなります。
また、肢別に「○△×」をつけ、二度と間違えない問題(○)にはもう時間を割かないなど
徹底した「無駄の排除」をすることで、膨大な試験範囲を短期間で合格しています。
(逆に言えば、この「〇」をつけるのにはかなり勇気がいります)
【直前期】答練出題箇所と付箋ノートの高速回転
いよいよ本試験が目前に迫った直前期。
この時期の鉄則は、「新しい知識にはもう一切触れないこと」と「徹底的な弱点潰し」です。
・短答ペン (自分が間違えたとこ怪しいところを普段の色とは異なる色ペンでテキストに書き込むこと)の箇所を1日に全範囲さらうこと。
・あらかた完成していたが目を通さないと忘れてしまうと思い全体を素早く確認することに加えて、忘れがちな箇所を重点的に確認。不安は消えなかったので当日の朝も詰め込んでいた。
【公認会計士の考察】
直前期に「まだ覚えていないC論点があるのでは…」と不安になり、
新しい教材や未着手の論点に手を出してしまう受験生は非常に多いです(私です)
しかし、合格者はそれを「絶対にやってはいけないこと」だと知っています(私は知りませんでした)
直前期にやるべきことは、これまで「問題集→テキスト」の往復で作り込んできた
「付箋」や「専用ペン(特別色のペン)」でマークされた弱点箇所をひたすら高速回転させることだけです。
自分がミスしやすい引っ掛けのパターンを、試験当日の朝まで脳に刷り込み続ける。
この反復作業こそが、本番での「あと1問(5点)」をもぎ取る最大の武器になります。
【教材別】合格者が実践していた非常識で効率的な活用テクニック
予備校で配られる教材は、基本的にどの受験生も同じです。
しかし、本番で8割以上の高得点を叩き出す合格者と、
ボーダーラインで涙を呑む受験生とでは、
その「教材の使い方(向き合い方)」が少し違いました。
最新の合格体験記から見えた、効率的な各教材の活用テクニックを解説します。
テキスト:「読む」のではなく「情報集約ベース」にする
多くの不合格者の方がやってしまうのが、
「テキストを最初から最後まで綺麗にマーカーを引きながら読む」という受動的な学習です。
対して合格者は、テキストを「自分の弱点をまとめた辞書(情報集約ベース)」として極めて能動的に扱っています。
・コンサマにはあらゆるミス、不正解だけでなく正解していても迷ってしまった事項などもすべて反映させていて、ミスが多いページには付箋を貼って短い隙間時間にはそれを見ていた。
【公認会計士の考察】
合格者のテキスト(またはコンサマ等のまとめ教材)は、
書き込みや付箋でそれはそれは大層な見た目になっています(褒めています)
彼らはテキストを「ただ読む」のではなく、「検索する」「集約する」ために使っています。
情報の一元化、のところでもお話ししましたが、
すべての情報をテキストに集約して最強の一冊を作り出しています。
そのため、全ての箇所を精読する、ということはせずに
頻出論点、答練出題箇所、ミスした箇所、ここを重点的に読むこむことで効率化を図っています。
間違いなくテキストが最強の合格ツールということになります。
問題集:「何周回すか?」より「どこまでテキストに反映させるか」
「問題集は何周回せば受かりますか?」という質問をよく受けます。
合格体験記を集計すると、
「3周程度でテキストに戻る人」から「25周回す人」まで様々でしたが、
本質は「回転数」ではありませんでした。
・ひっかけパターンの教材への反映もしてました。ひっかけ方はいくらでもあると思うのですが、どこをバツに変えてくるかはどんな作問者でも似てきます。あと、AではなくBという覚え方をすれば思い出す切り口が倍になる気がしたのでそうしてました。
【公認会計士の考察】
ここが企業法攻略(というか暗記科目全般の攻略)の肝になってくる部分です。
問題集を解く際、単に「答えが合っていたか」で一喜一憂しているうちは点数は伸びません。
重要なのは、「出題方法」と「どこをどう変えて出題されているか」を把握することです。
どこが出題されているのか、どんな聞き方をされているのかを知ることでまず敵を知り、
さらに、×肢の場合、どこを変えて出題されているのかで今後のインプットの際に注意すべき点を明確にします。
合格体験記にもあるように、「出題者がどこをどうイジって『×(誤りの肢)』を作ってきたのか」という【ひっかけのパターン】そのものを分析し、言語化しています。
「AではなくB」という形で覚えることで、
問題文を読んだ瞬間に「あ、ここはCじゃなくてBにすり替えてくるパターンだな」と、
作問者の意図を先回りして見抜けるようになります。
何周回すかではなく、
「自分が問題集でミスしたところをテキストにいかに反映させるか)
「1問からどれだけ出題者の意図を意図を汲み、テキストにひっかけパターンを書き込めるか」。
これがアウトプットの真の目的とも言えます。
答練・模試:本番の「動線設計」と出題箇所のあぶり出し
答練(答案練習)や模試を、「自分の実力を測るテスト」としてだけ使っているのは非常にもったいないです。
合格者は、答練を「本番のシミュレーション」と「テキストの強弱づけ」のツールとして最大限利用しています。
・答練の範囲のテキスト(例題も含)を2,3周確認する+問題集を1,2周(基本的には電卓も使用)→答練→解説講義→テキストにフィードバック。
【公認会計士の考察】
答練は当然その時点での自分の実力を測るテストです。
ただ、重要なのは受けた後、その結果をどう捉えるかです。
・正答率の高い問題をいくつ落としたか
・苦手な分野はどこか
・答練で出題された論点はどこか
・どういう対策をすればその問題は取れたのか
やることは結構いっぱいあります。
答練は自分の勉強環境を見直すのに最適なツールです。
また、合格体験記の中には答練を使って
「本試験前日や当日の朝に何を見るか」を、
最初の答練の段階から意識して受験するというエピソードもありました。
まさに究極の「動線設計」です。
公認会計士試験は、極度の緊張と疲労の中で行われるメンタル勝負の側面が強いです。
「当日の朝は、付箋を貼ったこの10ページだけを見ればいい」
みたいな絶対的なルーティンを作っておくことで、パニックを防ぎ、持てる実力を100%発揮できます。
答練は、その「当日のルーティン」をテストするための最高の舞台です。
数字で見る!合格者の企業法学習スケジュールと勉強時間
続いて、学習をスタートさせる時期や、1日の勉強時間の使い方など、
リアルな「スケジュール感」について分析します。
学習開始時期は「本番の〇〇ヶ月前」がベスト
企業法は暗記科目だからと直前まで後回しにする受験生がいますが、これは大変危険です。
合格者の多くは、予備校の標準カリキュラムに素直に従い、早い段階から企業法に触れていました。
・とりあえず予備校の方針に従って、財務会計論→管理会計論→企業法→監査論といった順で学習を進めた。
【公認会計士の考察】
合格者のデータを集計すると、
短答式試験の日程から逆算して「約10か月~12か月前」に企業法の学習を開始しているケースが圧倒的多数でした。
(例:12月短答合格目標の場合、前年の12月〜2月頃には企業法の講義をスタート)
暗記科目だから直前期から超頑張ってインプットすれば何とかなるよね…
というのは結構何ともなりません(私も失敗しました)
暗記科目とはいえ、会社法の全体構造や、法律ならではの言い回しや考え方を養うには一定の期間が必要です。
予備校のカリキュラムは過去の膨大なデータに基づいて「最も合格しやすいペース」で作られているため、
自己流で後回しにせず、まずはカリキュラム通りに消化していくのが王道です。
1日の勉強時間と他科目(財務・管理・監査)とのバランス
勉強時間の集計のところでも触れた通り、
企業法にかける1日の平均勉強時間は「0.6時間〜1時間弱」が目安です。
では、その時間を1日のうち「いつ」確保すべきなのでしょうか?
学習記録を詳細に分析すると、合格者の多くは「午後から夜の就寝前」にかけて企業法(暗記科目)の勉強時間を配置している傾向が見られました。
朝の脳がフレッシュな時間帯は、思考力が求められる計算科目(財務会計や管理会計)に充て、
疲労が溜まってくる午後〜夜の隙間時間(電車での移動中など)を使ってWeb問題集をポチポチと回す。
そして寝る前にテキストを読み込んで、睡眠中に記憶を定着させる。これが脳科学的にも理にかなった黄金のスケジュールです。
そして何より重要なのは「毎日継続すること」です。
1日サボれば忘却曲線は急激に下がり、思い出すために倍の時間がかかります。
毎日30分でも触れ続けることが、企業法攻略の絶対条件です。
利用者の多かった予備校別教材(CPA・TAC・クレアール等)
最後に、合格者たちが実際にどの予備校のどの教材を使っていたのか、集計データをまとめました。
・テキスト
・短答対策問題集(短問)
・Web問題集(Web問)
・コンパクトサマリー(コンサマ)
※特に「短問」と隙間時間の「Web問」を往復し、最終的に「コンサマ」に集約するスタイルが人気でした。
・短答問題集
・テキスト
・金商法レジュメ
※「市販の肢別問題集」に独自に書き込みを行い、コンパクトな回転教材に加工する方もいました。
・一問一答
※他校生でも、網羅性の高いLECの一問一答を回転用教材として取り入れているケースがありました。
【公認会計士の考察】
結論から言うと、「どの予備校の教材を使っているか」で合否が決まることはほぼありません。
重要なのは、「自分が信じて選んだ教材を、本番までにしっかり自分のものにできたか」どうかです。
成績に伸び悩んでいる場合、「他校のあの教材が良いらしい」という誘惑は常にあると思います。
ただ合格者の肩を見ると「今目の前にあるテキストと短答対策問題集をいかに完璧にするか」に全精力を注いでいる姿勢がヒシヒシと伝わってきます。
(なんとか工夫して自分だけのオリジナル教材を作りこもうとしている姿勢が見えます)
いわゆる教材コレクターにならず、手元の教材を極限まで使い倒してください。
効率を極める!最新合格者の「特徴的&マネしたい」勉強法
合格体験記の中には、非常にユニークで効果的な勉強法がいくつも寄せられました。
完全にまねする必要はありませんが、
こんな勉強法があるのか…と参考になれば幸いです。
忘却曲線に抗う「見出し想起学習」
暗記の最大の敵は「忘却」です。
テキストを何周読んでも、
本を開いた瞬間に「あー、これ知ってる」と”分かった気”になってしまう現象に、
多くの受験生が苦しめられます。
これを打破するための方法がこちらです。
⑴全然内容を覚えていないとき
見開き1ページ読む→書いてた内容を思い出す
⑵大体の内容を覚えてきた時
見出しだけ見て結論を思い出す→思い出せなかったところはチェックをつけて付箋を貼る。次の日チェックがついてるところをもう一度思い出す。思い出せるようになるまで毎日繰り返す
【公認会計士の考察】
テキストの文章を目で追うだけの「受動的な読書」をやめ、
「見出しだけを見て、テキストを閉じ、自力で結論を引っ張り出す」という強烈な負荷を脳にかけています。
本番の試験では、当然ながらテキストを見ることはできません。
脳の中から知識を「引っ張り出す」練習を日頃から行っているため、
本番での解答スピードと正確性が劇的に向上します。
目的意識を高める「自作の歌・ゴロ合わせ」学習
「どうしても覚えられない…」そんな時。
合格者の方はどうやって覚えていたのでしょうか。
それが以下の方法です。
・組織再編の表を覚えて短問を解いたり、歌を覚えたりと詰め込みをしました。
【公認会計士の考察】
CPA会計学院の「jijiたん(平木先生)」の歌など、予備校講師が提供する暗記ツールを使い倒すのはもちろんですが、
さらに「自分自身歌を作ってしまった」という方までいました(創立総会の歌、聞いてみたいですね…)
本人は「コスパは悪いけど」と謙遜されていますが、とんでもありません。
自分でメロディや歌詞を考える過程で、要件や効果を深く論理的に整理する必要があるため、実は最強の「深いインプット」になっています。
苦しい暗記作業を遊びに変換する、非常に強力な勉強方法だと思います。
(ちなみに私はゴロで覚える派でした)
要注意!企業法で不合格になる「NGな勉強法」
合格者の共通点を探るのと同じくらい重要なのが、「失敗する受験生の共通点」を知ることです。
分析を通じて見えた、やってはいけない2つの「NGな勉強法」について解説します。
テキストの「全暗記」という無謀な挑戦
真面目な受験生ほど陥りやすい罠です。
「本試験で知らない論点が出たらどうしよう…」という恐怖から、
テキストの隅から隅まで(Cランク・Dランクまで)すべてを完璧に暗記しようとします。
【公認会計士の考察】
人間の脳のキャパには限界があります。
出題頻度の低いマイナーな条文まで暗記しようとすると、絶対に落としてはいけないA・Bランクの重要論点の記憶が押し出されて曖昧になります。
合格体験記にあった「限られた時間の中で取捨選択を明確にし、重要論点を確実に押さえたことが、短期間で80点という結果につながった」という言葉がすべてです。
完璧主義は、公認会計士試験において最大の敵であると肝に銘じる必要があります。
漠然と問題集だけを回し続ける作業化
「とりあえず問題集を10周回せば受かるんでしょ?」と、
思考停止状態で○×の判定だけを繰り返す勉強法です。
【公認会計士の考察】
問題集の答えの「位置」や「記号(〇×)」を覚えてしまっているだけで、実力は全くついていません。
本試験で「主語(株主か、取締役か)」や「要件(過半数か、3分の2以上か)」を少しだけ入れ替えられたひっかけ肢が出た瞬間、全く対応できずにパニックになります。
前章で紹介した通り、「どこをどう変えてバツにしているのか(ひっかけのパターン)」を言語化し、
テキストに反映させること。
問題集は「作業」ではなく「分析」のために使うべきです。
【令和8年試験対応】短答式企業法の出題傾向と今後の対策
最後に、今後の公認会計士試験の動向と、企業法という科目への向き合い方について、現役会計士の視点からまとめます。
試験時間「50分」への変更とタイムマネジメント
令和8年第Ⅰ回短答式試験から、試験内容が一部変更されました。
企業法については、従来の試験時間から「50分」へ時間が短くなりました(前は60分)
問題数が20問であることを考えると、「1問あたり2.5分」しか時間がありません。
まごまごしているとすぐに時間が足りなくなります。
問題文を読んだ瞬間に「あ、これはあの条文のあのひっかけだな」と反射的に答えを導き出す必要があります。
だからこそ、これまでに述べてきた「見出し想起学習」による引き出しのスピード強化や、
「ひっかけパターンのテキスト一元化」による瞬発力の養成が、今後より一層強力な武器になります。
参考:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験のバランス調整について」
なぜ企業法を「得点源」にすべきなのか?現役会計士の考察
計算科目(財務会計・管理会計)は、どんなに勉強しても本番のパニックや些細な計算ミス一つで、大量失点するリスクを孕んでいます。
しかし、企業法は違います。
暗記量は膨大で、初めは「知らんがな」の連続で苦しいかもしれません。
しかし、「正しい方向(A・Bランクの徹底とひっかけパターンの言語化)」で「正しい量(忘却曲線に抗う継続と直前の詰め込み)」の努力を投下すれば、最も裏切らない科目です。
企業法で安定して80点以上を稼ぎ出せるようになれば、
計算科目のプレッシャーは劇的に下がり、短答式突破の確率は飛躍的に跳ね上がります。
公認会計士試験短答式企業法の概要
最後に、公認会計士試験短答式における、企業法の概要について軽く触れておきます。
短答式企業法の位置づけと重要性
ご存じの方も多いかと思いますが、公認会計士試験短答式の試験時間・問題数・配点は以下の通りです(先ほどの時間変更も反映しています)
| 試験科目 | 試験時間 | 問題数 | 配点 |
| 財務会計論 | 150分 | 40問以内 | 200点 |
| 管理会計論 | 75分 | 20問以内 | 100点 |
| 監査論 | 50分 | 20問以内 | 100点 |
| 企業法 | 50分 | 20問以内 | 100点 |
出典:令和8年公認会計士試験受験案内<第Ⅱ回短答式試験用>より抜粋(公認会計士・監査審査会)
点数だけ見ると、財務会計論が一番重要なことは一目瞭然だと思います。
この中で、企業法と監査論についてはいわゆる「暗記科目」というもので、
管理会計論や財務会計論と違い計算が出題されず、ひたすら暗記、という科目になります。
計算科目の習得には時間がかかるといわれている一方で、
暗記科目は短期間で詰め込みが可能、つまり短期間で点数を劇的に伸ばすことが可能です。
ここまで書いてきましたが、合格者の方の勉強方法を分析していても、
企業法の勉強にかけている時間は他科目に短く、短期間で高得点を獲得しています。
効率的に勉強を進めることで、短答式におけるアドバンテージを確実にとることができる、それが企業法であり
短答式試験において、安定して点数を獲得するために重要な科目になります。
短答式企業法の難易度と出題傾向
公認会計士試験短答式の各科目の平均得点比率を抜粋すると以下のグラフの通りです。

参考:公認会計士・監査審査会「過去の試験結果等」より集計
青の線で示しているのが企業法の推移になります。
企業法のみを抜粋すると以下の通りです。
| 回数 | 平均得点比率 |
| 令和2年第Ⅰ回短答式 | 44.2% |
| 令和2年第Ⅱ回短答式 | 43.5% |
| 令和3年短答式 | 47.8% |
| 令和4年第Ⅰ回短答式 | 46.1% |
| 令和4年第Ⅱ回短答式 | 43.4% |
| 令和5年第Ⅰ回短答式 | 39.6% |
| 令和5年第Ⅱ回短答式 | 45.4% |
| 令和6年第Ⅰ回短答式 | 53.0% |
| 令和6年第Ⅱ回短答式 | 51.5% |
| 令和7年第Ⅰ回短答式 | 51.4% |
| 令和7年第Ⅱ回短答式 | 47.9% |
| 令和8年第Ⅰ回短答式 | 51.6% |
こちらは平均得点比率なので、合格者の点数とはまた少し違います。
ですが、全受験生の平均得点なので、その科目の難易度を知る良いデータであることは間違いありません。
近年では
39.6%
・最高平均得点比率
53.0%
このデータからわかるのは
企業法については、他科目に比べて極端に難しいということはなく、高得点勝負になる回もある、ということです。
(体感としては安定して高得点勝負になっている印象です)
これは合格者の話を聞いていてもまさにその通りで、
出題傾向としても過去問、もしくは重要論点からの出題が多く、しっかりした対策をすれば確実に得点できるケースが多い、と言えます。
まとめ:自分に合った「最強の企業法勉強法」を見つけよう
長くなりましたが、もう一度、この記事の最大の結論である「合格者の王道パターン」を振り返ります。
・講義視聴後、すぐに問題集を解き、出題箇所と間違いを「テキスト」に書き込む
・答練や問題集のひっかけパターンをテキストに集約し、情報の一元化を図る
・A・Bランクを最優先し、テキストを読む際は強弱をつける
・直前期は新しいことに手を出さず、付箋や色ペンでマークした弱点のみを高速回転させる
今回分析した多数の合格体験記から見えたのは、
誰もが「暗記量が多すぎる」「全然頭に入ってこない」という壁に絶望しながらも、
自分なりの工夫(自作の歌、想起学習、付箋の活用など)でなんとか乗り越えていった姿です。
本当に自分に合った勉強方法は、自分で探してカスタマイズするしかありません。
この記事に詰まった合格者たちのリアルな声とノウハウが、皆様の企業法攻略、ひいては公認会計士試験合格への強力な道しるべとなることを心より祈っております。
最後になりますが、貴重な合格体験記をご提供いただいた合格者の皆様、本当にありがとうございました。
そして、長文を最後までお読みいただいた受験生の皆様、絶対に合格を勝ち取ってください。応援しています!



・コンサマにはあらゆるミス、不正解だけでなく正解していても迷ってしまった事項などもすべて反映させていて、ミスが多いページには付箋を貼って短い隙間時間にはそれを見ていた。
・短答ペン(自分が間違えたとこ、怪しいところを普段の色とは異なる色ペンでテキストに書き込むこと)の箇所を1日に全範囲さらうこと。
・短答問題集のミスやひっかけをコンサマに書き込み。