【独立会計士インタビュー】会計士×税理士×社労士|SoVa税理士法人・社労士法人疋田さんの仕事・お金・苦労のリアル

この記事は以下の方におすすめ
・税務未経験から独立できるのか不安な公認会計士
・独立前に、資格・実務・営業・人脈のどれを優先するか迷っている方
・監査法人非常勤や講師業を組み合わせた独立初期の働き方を知りたい方
・公認会計士と社労士資格の相性を知りたい方
・独立後の仕事、失敗、家族との両立を率直に聞きたい方
とむやむくん独立5年目くらいまでの独立会計士のリアルを聞く、「とむやむくん独立会計士インタビュー」。今回は、税理士×社労士×会計士の疋田 翔馬さん(X:shoma151018)にお話を伺いました!
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
疋田さんは、PwCの監査法人で銀行監査を経験した後に独立。
現在は、SoVa税理士法人とSoVa社会保険労務士法人で、税務と労務のサービスを手がけています。
ですが、実は独立前に税務の実務経験があったわけではありません、独立当初は失敗することもあったそうです。
一方で、独立前から持っていた社労士資格は、税務相談から労務の相談へ広がる場面で大きな武器になりました。
今回は、税務未経験から実務を覚えた過程、独立後の仕事の取り方、営業と人脈、社労士資格、講師業、家庭との両立まで聞いています。
印象に残っている話は、疋田さんが独立前の会計士に優先してほしいのは、追加資格の勉強ではなく「営業と人脈」とおっしゃっていたことです。
税務未経験を乗り越えられた背景にも、教えてくれる先輩、小さく始められる顧客層、一緒に事業を作る仲間がいました。
ただし、「税務未経験でも簡単に独立できる」という話ではありません。
失敗したときに顧客へ影響が及ぶ仕事だからこそ、案件の規模、相談先、確認手順を整えてから始める必要があります。
今回の独立会計士インタビューで分かったこと
| 読者の疑問 | 疋田さんの実体験から見えた答え |
|---|---|
| 独立時点で仕事はあった? | 講師の業務委託はあったが、税務・労務の顧客はこれから増やす段階 |
| 税務未経験でどう始めた? | 先輩に申告書作成を教わり、小規模法人から始め、調査と確認を重ねた |
| 仕事はどこから来た? | SoVaの紹介と、独立前からつながっていた人たちとの関係が中心 |
| 独立前に何を優先する? | 会計士が得意な勉強より、営業と人脈を優先する |
| 社労士資格は役立った? | 税務相談から生まれる労務の質問へ、そのまま対応できるようになった |
| 独立して自由になった? | 予定を自分で決められる一方、常に仕事を考え、家庭との調整も難しくなった |
疋田さんの独立は、「一人で顧客を探し、すべて自分で始めた」という形ではありません。
講師の仕事、監査非常勤、SoVaの仲間と営業の仕組みを組み合わせながら、未経験だった税務・労務の実務を増やしていきました。
今回のゲスト|SoVa税理士法人・社労士法人代表社員 疋田 翔馬さん
疋田 翔馬さん
SoVa税理士法人・SoVa社会保険労務士法人 代表社員
公認会計士・税理士・社会保険労務士
中央大学卒業後、PwCの監査法人で銀行監査を経験。
現在はSoVa税理士法人・SoVa社会保険労務士法人の代表社員として、法人向けの税務や労務のサービスを手掛けています。
(CPA会計学院の経営学の講師も務めていらっしゃいました)
とむやむくんまず、現在はどのようなお仕事をしているのか教えてください。
疋田さん:
今は大きく2つあります。
1つ目は税理士法人です。

法人のお客さんに特化しているので、法人税や消費税を中心とした税務業務をしています。
もう1つは同じグループの社会保険労務士法人です。

社会保険の資格取得や労災の申請など、社労士の業務を行っています。
SoVa税理士法人・社労士法人は両方とも株式会社SoVaのグループ会社として、税務・労務をサービスとして提供しています。独立でいきなり2法人の代表社員…すごいですよね…。
陸上のけがから簿記へ。会計士を目指した原点
とむやむくん会計士を目指したきっかけは何だったんですか?
疋田さん:
高校時代は陸上の長距離をやっていて、箱根駅伝を目指したいと思うくらい本格的に走っていました。
ただ、高校1〜2年の頃にけがをして、一時期走れなくなったんです。
体力が余っていて何をしようか考えていたとき、両親の仕事の影響もあり、「簿記でもやってみたら」と勧められました。
やってみたら、すごくはまりました。普通科でしたが、時間を捻出して地道に簿記の勉強をして、簿記2級を取りました。
高校3年生で簿記1級を受けたときは、あと2点足りずに落ちたんです。
その頃に進路を考える中で公認会計士という仕事を知り、「今の勉強の延長にあるなら楽しそうだ」と思って、大学に入ってから会計士を目指すことにしました。
疋田さんはその後、大学在学中に見事合格されています。そして、この後の話にもあるPwCに学生中から関与することになります。
PwCで銀行監査を約8年経験
とむやむくん会計士試験合格後は、どのようなキャリアを歩んだのでしょうか?
疋田さん:
当時のPwCあらた有限責任監査法人(現:PwC Japan 有限責任監査法人)に入り、金融部門で銀行監査を担当しました。在籍期間は約8年です。
選んだ理由は2つあります。1つは、採用で会った方がすごく良くて、この人と一緒に働きたいと思ったことです。私の印象では法人ごとの差が分かりにくかったので、最後は誰と働くかで決めました。
もう1つは、規模の大きな銀行で内部統制を理解すれば、その後に中小企業やコンサルティングの仕事をするときにも役立つと聞いたことです。それで金融部門を選びました。
独立会計士インタビューをしていてよく感じるのですが、独立する方はかなり早い段階から独立を見据えてキャリア選択をしている印象です。疋田さんもPwCに入る段階である程度意識していたんですね…私ももっと早くから見通していれば…。
社労士資格と人の縁が、独立へ踏み出すきっかけ
とむやむくん監査法人にいた頃から、将来は独立しようと思っていたんですか?
疋田さん:
もともと独立したい気持ちはありました。ただ、家庭との両立もありましたし、なかなかタイミングをつかめませんでした。
監査法人に在籍して5〜6年目くらいの頃に、社会保険労務士試験に合格しました。
その資格をきっかけに、以前から知っていたSoVa代表の山本健太郎さんと改めてつながったんです。
山本さんとは大学時代からつながりはあったのですが、話をしているうちに、講師を始め、事務所を作り、SoVaのサービスを一緒に作り上げていこうという話になりました。
面白そうだと思い、独立へ進みました。
とむやむくん「これをやりたい」と決めて独立したというより、人の縁から仕事が形になっていったんですね。
疋田さん:
そうですね。独立したい気持ちはありましたが、最初から具体的な事業を決めていたわけではありません。
講師に関しては教えることが好きで、いつかやってみたいとは思っていました。
ちょうど人とのつながりから講師と事務所の話が同時に出てきて、その流れで独立が具体的になりました。
全然独立の話と関係ないのですが、疋田さん、話がうますぎて、聞きやすすぎて、私がインタビュアーなのに授業を受けている生徒のような気分になってしまいました。疋田さん曰く、講師を始めてからうまくなった、らしいのですが、その謙虚なお人柄もあるんでしょうねえ…。なんのビジネスをするにしても、対話力というかプレゼン力は本当に重要だなと感じました(長文失礼しました)
独立の1年以上前から、会社設立と登録を準備
とむやむくん独立の準備は、退職のどれくらい前から始めましたか?
疋田さん:
1年以上前から準備していました。
会社を設立する準備もありましたし、私は税理士登録も必要でした。
表立って動けない時期でも、信頼できる知人には少しずつ独立の話をして、仕事につながりそうな関係を作っていました。
独立すると決めてから準備するのではなく、独立前から登録・仕事・人間関係を同時に進めていたという形です。
独立時点で仕事はあった?顧客はこれから増やす段階

とむやむくん独立した時点で、仕事のあてはあったんですか?
疋田さん:
講師は業務委託で、ある程度の収入が見込める状態でした。
一方、税理士と社労士の仕事は、サービスをこれから伸ばしていく時期です。
何をやるかは決まっていましたが、お客さんが十分にいて収入が確保されていたわけではありません。
自分一人で顧客を取るというより、SoVaのグループとして営業し、顧客を増やしていく前提でした。
とむやむくん独立1年目は、実際にどんな仕事をしていましたか?
疋田さん:
講師、税理士・社労士の仕事、営業です。それに加えて、最初の一繁忙期だけ、以前いた監査法人で非常勤の監査もしました。
独立直後は収入があまりないかもしれないという不安もありましたし、お世話になった方から声をかけてもらったので引き受けました。
以前担当していた領域だったため、経験を生かしやすい仕事でもありました。
疋田さんに限らず、独立時に非常勤を併用される方はとてもい多いです。監査法人の非常勤については、以下の記事も解説しています。

とむやむくん独立1年目の収入は、監査法人時代と比べてどうでしたか?
疋田さん:
こちらについては同じくらいか、少し増えたくらいだと思います。
私がこちらの記事でも書いている通り、大半の独立会計士は一年目に年収を落としています。なので疋田さん、すごい。
税務未経験から、どうやって申告実務を覚えたのか
とむやむくん税理士登録をして税務を始めていますが、監査法人時代に税務経験はあったんですか?
疋田さん:
まったくありませんでした。
私が担当したのは、設立直後から従業員30人前後までの、比較的小規模の法人が中心です。
最初に経験者から申告書の作り方を一度教えてもらい、そこからは自分で調べながら進めました。
会計士試験で法人税や所得税の基礎知識は勉強していますが、知識があることと、申告書を実際に作れることは別です。
分からないことがあれば調べ、必要な確認を重ね、実務の中で覚えていきました。
会計士が税務未経験から税務を始めることは珍しくありません。そういった方々は今回の疋田さんのようにやはり徹底的に調べ、実務の中で覚えていく、という方法が多いです。
初期は失敗することもあった
とむやむくん税務未経験で始めて、特に大変だったことはありますか?
疋田さん:
税務での独立初期はやはり失敗することもありました。
幸い、大事にはならない類のものでしたが、専門家としてお金をいただいているのに、何をやっているんだという気持ちでした。
その経験は絶対に忘れません。同じことを起こさないように、自分の中へ残して、調べることと確認を繰り返してきました。
未経験分野は、影響を管理できる規模から始める
とむやむくん税務未経験の会計士が独立するなら、どんな始め方が現実的ですか?
疋田さん:
いきなり売上規模が大きく、論点が複雑な会社を担当するのではなく、比較的小さな会社から始めることだと思います。
知識として分からないことは調べられます。
ただ、間違えたときにどのような影響が出るかを考え、相談できる人を持ち、コミュニケーションを取りやすい案件から経験する方がリスクを抑えられます。
未経験だから何もできないわけではありませんが、資格があるから最初から何でも受けてよいわけでもありません。
税務実務の習得方法は、人それぞれです。実際に受任する場合は、案件の難易度、チェック体制、相談先、損害リスク、税理士法その他のルールをしっかり確認してください。
独立後の仕事はどこから来た?営業と人脈が中心
とむやむくん独立後、仕事はどこから来ることが多かったですか?
疋田さん:
営業と、独立前から作っていた人脈です。
私自身も仕事を取りますが、SoVaの紹介もありましたし、私一人が飛び込み営業をして顧客を増やしたという形ではありません。
グループで営業し、サービス全体でお客さんを増やしてきました。
顧客ゼロ・人脈ゼロなら、目指す規模で動き方を変える
とむやむくん今、顧客ゼロ・人脈ゼロの会計士として独立するとしたら、最初の3か月は何をしますか?
疋田さん:
どこを目指すかで分けます。
事務所の規模を大きくしたいなら、顧客紹介につながる企業との関係を作り、一から人脈を広げる方向へ動きます。
一方、組織を大きくせず、一人である程度の収入と自由を得られればよいなら、監査法人の非常勤を組み合わせる道もあります。
会計士は非常勤だけでも生活の土台を作りやすいので、その働き方につながる人脈を作ります。
売上を増やす事業と、時間の自由を得る仕事では、作るべき人脈も営業方法も違います。まず、自分がどちらへ進みたいのかを決める必要があります。
独立前に戻れるなら、自分で法人を作ってみたい
とむやむくん独立前の自分に戻れるなら、準備しておきたいことはありますか?
疋田さん:
強いて挙げるなら、学生の頃とかに自分で法人を作ってみたかったです。
自分で会社を作れば、決算や申告をしなければいけません。実際に手を動かして調べるので、税務や会社運営を覚える一番の近道になると思います。
もちろん、法人には設立・維持の費用と手続があります。事業の必要性や専門家への確認を前提に考えてください。
資格・実務・人脈・営業なら、営業と人脈を優先
とむやむくん資格、実務経験、人脈、営業。この4つなら、独立前の会計士は何を一番優先すべきですか?
疋田さん:
個人的には、営業と人脈です。
会計士は勉強が得意です。だから、知識を増やす方向はみんな取り組みやすく、差がつきにくいと思っています。
反対に、人と話すことや営業が得意な会計士は、業界の中で相対的に少ない。そこを鍛えると、一気に伸びやすくなります。
営業は、ただ売り込むことではありません。相手が何に困っているかを聞き、自分がどこまで解決できるかを伝え、仕事が終わった後も関係を続けることまで含みます。
なぜ公認会計士・税理士に加えて社労士なのか
とむやむくん会計士・税理士に加えて、なぜ社労士まで取ろうと思ったんですか?
疋田さん:
独立するために取ったわけではありません。もともとは純粋な興味です。
大学時代、公認会計士試験が終わった後に20歳になり、年金を払うことになりました。
「年金とは何だろう」と調べたら、社会保険労務士の分野が出てきたんです。
生活に直結する制度で、知っていたら人生に役立つと思い、勉強を始めました。
とむやむくん働きながらの社労士試験は、どのくらい大変でしたか?
疋田さん:
最初の受験から合格までを数えると、4年ほどかかりました。
最初は会計士試験に受かった勢いで、数か月勉強すれば受かると思っていましたが、普通に落ちました。
その後、子どもが生まれて勉強から離れた時期があり、仕事が落ち着いたところでもう一度取り組みました。
社労士試験は科目ごとの基準点があるので、全体の点数が良くても、一部の科目で基準を下回ると不合格になります。
私には、会計士試験とは違う精神的な厳しさがありました。
私も疋田さんから聞いて初めて知りましたが、社労士試験は足きりがかなりシビアらしいです。疋田さん曰く、会計士試験は努力が報われやすいが、社労士は運の要素が出やすい、とのことで、私も社労士、興味あったのですがなかなか厳しそうですよね…。
税務相談から労務相談へ、そのまま答えられる
とむやむくん社労士資格を取ったことで、仕事の幅は変わりましたか?
疋田さん:
確実に変わりました。
税務相談をしていると、労務の話へ広がることが一定数あります。そのときに、そのまま答えられるのは強いです。
SoVaには、税務と労務を一体で提供するプランがあります。
お客さんが税理士と社労士へ別々に相談しなくてもよいので、サービスとしてのメリットがありますし、仕事や売上にもつながっていると思います。
追加資格は「肩書きを増やすため」なら不要
とむやむくん独立会計士が、社労士や中小企業診断士などの資格を追加で取ることをどう考えますか?
疋田さん:
資格を持っていること自体で顧客の信用を増やしたい、という目的だけなら、会計士以外の資格は必ずしも必要ないと思っています。
公認会計士の業務範囲はもともと広いからです。
ただ、例えば実際に中小企業の支援をする中で必要な知識を勉強し、その延長で中小企業診断士の資格を取ることは否定しません。
資格名を増やすことと、顧客の問題を解けることは別です。先に実務上の目的があり、そのために勉強する順番がよいと思います。
講師業は独立会計士におすすめ?
とむやむくん講師になったきっかけは何だったんですか?
疋田さん:
もともと教えることが好きで、いつか講師をやってみたいと思っていました。
たまたまご縁があり、講師にチャレンジする機会に恵まれたのがきっかけです。
とむやむくん独立会計士にとって、講師という仕事はおすすめですか?
疋田さん:
何を目指すかによります。
講義や教材・問題の作成、受講生との相談など、講師の仕事は、自分が持っている知識を整理し、相手に分かりやすく伝える力を磨ける仕事です。
説明する力や人の話を聞く力を身につけられる点も、大きな魅力だと感じています。
私自身も、話が上手な方の説明をよく聞き、「どの順番で話せば相手に伝わりやすいか」を考えるようになりました。
講師として培った経験は、現在の仕事やコミュニケーションにも非常に役立っています。
一方で、私自身は今後、講師業以外の実務や事業にもより多くの時間を使い、経験の幅を広げていきたいと考えるようになりました。
そのため、自分が今後どのような仕事を行っていきたいのかを考えながら、キャリアを選択していくことが大切だと思います。
独立して分かった、自由と「仕事が頭から離れない」現実

とむやむくん監査法人時代に、もっとやっておけばよかったと思うことはありますか?
疋田さん:
遊んでおけばよかったですね。
会社員は良くも悪くも安定しているので、仕事が終わったら何も考えずにゲームをしたり、漫画を読んだりできます。
(もちろん仕事のことが頭から離れないケースもあるかと思いますが)
独立すると、自分が動かないと収入になりません。朝起きたらメールを見て、先にやった方がよい仕事があれば、その時点で仕事を始められてしまいます。
仕事そのものが嫌なわけではありません。でも、何も考えずに遊べる時間は、会社員の頃にしか持ちにくかったと思います。
なんかもっと、ビジネスの話になるかと思ったらこんな感じだったので、逆に安心してしまいました。あ、疋田さんみたいな人でも普通にそう思うんだな、と。でも確かに、独立するとどこかで「このゲームの時間仕事すれば収入増えるのになあ…」という思いが常にある気がしています。私ももっとやっておけばよかった、ゲーム。
一番大変だったのは、仕事と家庭の境目
とむやむくん独立して一番大変だったこと、失敗したことは何ですか?
疋田さん:
立ち上げの時期は、常に事業のことを考えていました。四六時中スマホを見て、夜も「あれを考えないと」と仕事のことが頭から離れませんでした。
それ自体が嫌だったわけではありませんが、家庭ではかなり配慮をしてもらう形になりました。
私が独立した頃は、子どもがまだ小さかったので…。子どもの成長と事業の立ち上げが重なると、どちらも手がかかります。
独立する時期は、自分の仕事だけでなく、家族の状況まで含めて考えた方がよいと思います。
一番良かったのは、時間を自分で選べること
とむやむくん逆に、独立して一番良かったことは何ですか?
疋田さん:
時間を自由に選べることです。
毎週、同じ場所へ同じように通う働き方には、もう戻れないかもしれません。自分がやりたい仕事を選び、自分の好きなように予定を組めることが一番良かったです。
ちなみに、私が独立して感じた感想、みたいな記事もあります、よろしければご覧ください。

監査法人は何年経験してから独立するべき?
とむやむくん同じ記憶を持ったまま、会計士試験合格後へ戻れるなら、もう一度監査法人へ入りますか?
疋田さん:
同じ記憶があるなら、常勤では入らない気がします。
最初から独立し、監査法人の非常勤で実務経験を積む形を選ぶと思います。
(現在の仕事との関連もありますが)監査法人時代の知識で役立ったのは、監査固有の知識というより、仕事の進め方やパソコンのスキルなど、どこでも使える部分でした。
これは、監査を約8年経験した現在の疋田さんが、今の記憶を持って戻るという仮定への回答です。試験合格者全員に、監査法人へ常勤入所しない道を勧めるということでは、もちろんありません(お分かりかと思いますが)
約1,000社を支援するSoVaが、品質を落とさず広げる理由
とむやむくん現在、SoVaではどのようなことに力を入れていますか?
疋田さん:
サービスをリリースしてから数年で、お客様は約1,000社まで増えました。今後も段階的にサービスを広げたいと思っています。
その中で、私が税務・労務の立場から特に重視しているのは、一定の品質を必ず担保することです。
より多くの方へサービスを届けたいという思いはあります。ただ、品質が低いまま広げても、社会の役には立ちません。
広げるなら品質の高いものを広げる。品質を下げるサービスになるなら、そもそもやらない。
そこは特に気をつけています。
一緒に働きたいのは「素直・実直・謙虚」な人
とむやむくんSoVaでは、どのような人と一緒に働きたいですか?
疋田さん:
素直で、実直で、謙虚な人です。
SoVaのビジネスモデルは新しいため、これまでの常識や一般的なやり方だけを基準にすると、判断に迷う場面があります。
「新しいやり方にチャレンジして、試行錯誤を繰り返すことができる」そういう方と一緒に働きたいです。
会計士資格は必須ではありません。知識は入社後にも身につけられるので、資格よりも、仕事への向き合い方を重視しています。
もう一度戻っても独立する?「もっと早く独立する」
とむやむくん今の自分が、独立直前の自分に一つだけ助言するなら、何と言いますか?
疋田さん:
「今は愚直に頑張れ」です。
立ち上げの時期が一番大変です。通常の業務に加えて、仕事の流れや仕組みも整えなければいけません。
そこを乗り越えると、完全な安定ではなくても土台ができます。
その土台があれば、次にやりたいことへ進めます。だから、今は目の前の仕事を愚直に積み上げてほしいです。
とむやむくんもう一度同じ時点に戻っても、監査法人を辞めて独立しますか?
疋田さん:
独立します。むしろ、同じ記憶があるなら、最初から非常勤で実務経験を積みながら独立すると思います。
とむやむくん最後に、独立を考えている会計士や、これから会計士になる受験生へメッセージをお願いします。
疋田さん:
独立するときは、収入や、本当に仕事があるのかという不安があります。でも、一歩踏み出してみると、意外と何とかなります。
周りへ「困っています」と声をかければ、会計士は業務の幅が広いので、「こういう仕事もあるよ」と次につながっていきます。独立したい気持ちがあるなら、まず一歩を踏み出してみてください。
独立会計士に関するよくある質問
- 税務未経験でも公認会計士は独立できますか?
-
疋田さんは税務未経験で独立し、経験者に申告書作成を教わった後、小規模法人から実務を始めました。ただし、資格だけで何でも受任してよいという意味ではありません。案件規模、相談先、確認体制、顧客への影響を管理する必要があります。
- 独立会計士の仕事はどこから来ますか?
-
疋田さんの場合は、SoVaの紹介と、独立前からつながっていた人たちとの関係が中心です。独立後に一人で営業を始めたのではなく、独立前から仲間・仕事・登録の準備を並行していました。
- 顧客ゼロ・人脈ゼロなら、最初の3か月は何をすべきですか?
-
疋田さんは、事業規模を大きくしたいなら紹介につながる企業との関係づくり、一人で自由に働きたいなら監査非常勤につながる人脈づくりを挙げています。目標によって最初の行動は変わります。
- 独立前は資格・実務・人脈・営業のどれを優先すべきですか?
-
疋田さんの回答は営業と人脈です。会計士は勉強を得意とする人が多く、知識だけでは差がつきにくい一方、相手の話を聞き、仕事につなげられる会計士は伸びやすいという考えです。
- 監査法人非常勤は独立初期の支えになりますか?
-
疋田さんは独立後の一繁忙期だけ、以前の監査経験を生かして非常勤を行いました。収入の不安を抑える選択肢になりますが、案件、単価、責任、稼働時期は法人と本人の経験によって異なります。
- 公認会計士に社労士資格は役立ちますか?
-
疋田さんの場合は、税務相談から生まれる労務の質問へそのまま対応でき、税務・労務の一体提供につながりました。ただし、試験には時間がかかるため、自分の業務で本当に必要かを先に考えるべきです。
- 独立会計士は追加資格を取るべきですか?
-
肩書きを増やす目的だけなら必須ではない、というのが疋田さんの考えです。顧客支援に必要な知識を学び、その延長で資格を取るなら、仕事へつながりやすくなります。
- 独立と子育てを両立するときの注意点は何ですか?
-
事業の立ち上げと、子どもに手がかかる時期が重なると、仕事と家庭の両方に負荷がかかります。疋田さんは、独立時期を自分の仕事だけでなく、家族の状況まで含めて考えることを勧めています。
まとめ|資格より営業と人脈、未経験なら小さく始める
疋田さんの話から見えたのは、独立会計士の仕事は資格だけで完成しないということです。
今回のインタビューの要点
・独立の1年以上前から、登録・仕事・人間関係を準備する
・税務未経験なら、相談先を持ち、影響を管理できる規模から始める
・独立前は、追加資格だけでなく営業と人脈を優先する
・社労士資格は、税務と労務を一体で提供する実務に結びついた
・独立時期は、家族の状況まで含めて考える
税務未経験だった疋田さんも、最初から順調だったわけではありません。
それでも、先輩へ教わり、小さな案件から実務を積み、営業と人脈を作り、現在は約1,000社を支援するサービスの品質を担う立場になりました。
独立前にすべてを身につける必要はありません。ただし、知らないことを認め、誰に聞き、どの規模から始め、どう品質を守るかは準備しておく必要があります。
独立を考えている方は、、「独立後に相談できる人は誰か」「最初の仕事はどこから来るか」「家族の時間をどうするか」を一度考えてみてください。
とむやむくん独立は一歩踏み出せば終わりではなく、目の前の仕事を愚直に積み上げて土台を作るところから始まるんですね。
今回インタビューを受けてくださった疋田さんのSoVa税理士法人、SoVa社会保険労務士法人、グループ会社の株式会社SoVaはこちらです。
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