専念受験生の公認会計士試験勉強スケジュール|短答・論文の体験記11件を分析

この記事は以下の方におすすめ
・仕事や大学を離れ、公認会計士試験の勉強に専念している方
・専念受験生は1日何時間勉強すべきか迷っている方
・短答から論文までの勉強スケジュールを作りたい方
・退職や卒業後に専念へ切り替えるか検討している方
とむやむくん専念受験は、空いている時間を全部勉強で埋めればよいわけではありません。毎日再現できる生活と、教材が前へ進む仕組みを作ることが大切です。
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
公認会計士試験の勉強に専念すると、仕事や大学の予定に左右されず、まとまった勉強時間を確保できます。
では、毎日10時間以上勉強すれば短期合格できるのでしょうか。
正直、そんなに単純なものではありません。
時間があるから講義を詰め込みすぎる人もいますし、生活に区切りがなくなって勉強開始が遅れる人、孤独や資金面の不安で集中できなくなる人もいます。
結論から言うと、専念受験生は「1日○時間」を最初に決めるのではなく、睡眠と休憩を固定し、短答・論文の教材を1週間でどこまで進めるか決めるのがおすすめです。
この記事では、当サイトに掲載している合格体験記11件(短答8件・論文3件)を確認し、専念受験生の勉強時間、1日・1週間の組み方、短答から論文への切り替えを整理しました。
結論|専念受験生は「実勉強8時間前後」から調整する
専念受験生の最初の目安は、休憩を除く実勉強時間で1日8時間前後です。
ただ、8時間が合格に必要な最低時間…ということではもちろんありません。
今回確認した短答8件でも、1日3時間、6時間、7~9時間、10~13時間など回答に幅がありました。論文3件は8~11時間程度でした。
専念スケジュールの基本
・最初の2週間は、無理なく続けられる実勉強時間を測る
・午前、午後、夜の3ブロックに分ける
・計算、理論、復習を毎日または週単位で回す
・週1回は遅れを戻す時間と休養を入れる
・勉強時間より、教材・答練の進捗で計画を直す
朝から夜まで机に向かっていても、実際の勉強が5時間なら、その5時間を基準にします。
反対に、8時間を安定して続けられ、睡眠や体調にも問題がなければ、直前期に少し増やす方法もあります。
初期…5〜8時間
直前期(2月〜5月)…10〜13時間
(R7Ⅱ短答合格者)
この例のように、初期と直前期で勉強時間を変えた合格者もいます。
最初から直前期の時間を目標にすると息切れしやすいため、カリキュラムの進み方を見ながら段階的に増やしましょう。
とむやむくん専念生に限らず、会計士受験あるあるかとは思うのですが、最初のスタートダッシュでめちゃくちゃ勉強して、だんだん失速、そして撤退…。こうならないためにも、無理のない勉強計画を初期から立てるようにしましょう。
当サイトで収集した合格体験記
今回の記事執筆にあたり、当サイトで収集した短答・論文合計11件の合格体験記を分析しています。
短答8件には、8か月で一発合格した例もあれば、9回目で合格した例もあります。1日当たりの回答も、体調、受験時期、専念へ移った時期によって異なりました。
論文3件には、論文一発合格と2回目合格の両方が含まれます。短答合格後の租税法・選択科目、答練、生活のルーティン化などが詳しく語られていました。
11件から共通して見えたこと
・専念でも合格までの期間と受験回数には大きな差がある
・長時間より、復習と教材の回転が崩れないことが重要
・生活のルーティン化と睡眠が勉強の土台になる
・専念前より時間が増えても、計画の作り方は必要
・休憩、交流、運動を完全にゼロにした人ばかりではない
繰り返していると、自分の最適な勉強時間がわかってきたので、それ以上には増やさないようにしていました。
(R7Ⅱ短答合格者)
この回答者は病気と向き合いながら勉強していました。専念だから一律に長時間を求めるのではなく、自分が翌日も再現できる上限を把握することが重要です。

専念する前に決めたい3つの条件
専念へ切り替える前に、勉強時間だけでなく、生活を続けられる条件を決めてください。
1. 生活費と受講費をいつまで確保できるか
受講料、教材費、受験料に加え、家賃、食費、保険、年金、交通費などがかかります。実家で暮らす場合も、家族が負担する範囲と期限を確認しましょう。
資金が尽きる時期と試験直前期が重なると、勉強以外の不安が一気に増えます。少なくとも、次の受験と結果発表、その後の選択まで考えておく必要があります。
2. どの試験まで専念するか
「受かるまで専念する」では、期間が決まっていません。いつの年度の第Ⅰ回短答まで、第Ⅱ回短答まで、論文までなど、見直す時点を決めましょう。
不合格ならすぐ撤退するという意味ではもちろんありません。
その時点で、成績、資金、体調、教材の進捗を見て、専念継続、アルバイト、就職などを改めて選べるようにするためです。
3. 家族と共有すること
どのような家庭環境課はもちろん様々かと思いますが、多くのケースで家族の協力が必要になります。
受験までのスケジュールを共有し、応援してもらうだけでなく、家族にどの負担がかかるかをきちんと伝えておくようにしましょう。
とむやむくん本人でもどのくらいで受験が終わるかわかりませんから、家族はもっと試験のことはわかりません。しっかり状況を伝えて、必要なフォロー、協力はお願いできるようにしておきましょう。
令和9年試験から逆算する専念スケジュール
公認会計士・監査審査会が公表している令和9年試験の予定日は、次のとおりです。
令和9年公認会計士試験
・第Ⅰ回短答式試験:2026年12月13日
・第Ⅱ回短答式試験:2027年5月23日
・論文式試験:2027年8月20日~22日
日程は変更される可能性があるため、出願前と直前に公式サイトを確認してください。
参考:公認会計士・監査審査会「試験実施情報(お知らせ・スケジュール)」
第Ⅰ回短答から論文を目指す
12月の第Ⅰ回短答に合格すると、翌年8月の論文まで約8か月あります。
短答後に租税法・選択科目へ本格的に移り、記述、答練、法令基準集の使い方まで進めやすい日程です。
専念期間を短くしたいからといって、短答だけで計画を終わらせないようにしましょう。
12月短答後の8か月を生活費に含め、論文教材へ切り替える順番まで考えます。
第Ⅱ回短答から同年論文を目指す
5月短答から8月論文までは約3か月です。短答後に租税法と選択科目をゼロから始める場合、かなり厳しい日程になります。
5→8を目指すなら、短答科目の仕上がりを確認しながら、予備校の方針に従って租税法や選択科目へ触れる時期を検討します。
ただし、短答の合格可能性を下げてまで論文科目へ広げるべきとは限りません。
令和9年試験から、短答式試験の財務会計論・管理会計論・監査論で一部英語による問題が出題されます。また、論文式試験の合格基準となる得点比率の水準は、従来の52%から54%へ段階的に引き上げる予定と公表されています。最新の受験案内と予備校の案内を確認してください。
とむやむくん令和9年の試験内容の変更については心配されている方多いと思いますが、予備校のアナウンス通りに対策すれば全く問題ありません。過度に身構えすぎず、しっかりやれることをやっていきましょう。
参考:公認会計士・監査審査会「令和9年公認会計士試験短答式試験における英語による出題に係る配点の割合及び出題範囲について」
短答合格までの勉強スケジュール
短答期は、財務会計論と管理会計論の計算の反復、企業法・監査論を忘れない状態へ持っていくことが大切です。
基礎期|講義と復習を同じ日に置く
基礎期は、講義を見た日または翌日に例題・問題集へ触れます。専念で時間があると、1日に講義を何コマも進めたくなりますが、未復習の講義が積み上がると後で見直す時間が倍になります。
新しい講義、当日復習、前日の復習を一つのセットにします。講義数ではなく「問題を自力で解けるか」で進捗を見てください。
定着期|教材を絞り、間違いを回す
一通り学習したら、教材を増やすより、間違えた問題と説明できない論点を繰り返します。
計算は手を動かす回と目で解法を確認する回を使い分け、理論は結論だけでなく理由も確認します。
専念受験生は勉強時間を確保しやすい分、重要度の低い論点まで手を広げやすくなります。
予備校の重要度、答練、本試験での得点可能性を基準に優先順位を付けましょう。
直前期|全科目を切らさず本試験へ合わせる
直前期は、答練・模試の復習、間違い論点の回転、本試験時間での演習へ移ります。
一科目に数日かけ続けるより、全科目へ定期的に触れる方が忘却を抑えやすくなります。
起床・食事・休憩も本試験に合わせます。超直前期に睡眠を削って勉強時間だけを増やすと、本番で力を出せない可能性があります。

専念受験生の1日スケジュール3例
1日は、午前・午後・夜の3ブロックに分けると管理しやすくなります。
以下はそのまま真似する時間割ではなく、勉強内容を考える参考にしてみてください。
標準日|実勉強8時間前後
午前
計算科目、答練、新しい講義など負荷の高い内容
午後
講義復習、問題集、理論科目の理解と暗記
夜
間違い直し、理論の確認、翌日の計画
食事や長めの休憩を含めると、机に向かう時間は8時間より長くなります。
「9時から20時までいたから11時間」と数えず、休憩を除いた実時間と終わった教材の両方を見ます。
調整日|実勉強5~6時間
疲労がたまった日や通院・家族の予定がある日は、計算科目の維持、理論の回転、未消化の復習へ絞ります。
専念なのに6時間しかできなかった、と責める必要はありません。
6時間で何を守るかを決め、翌日に戻れる方が長い受験期間では大切です。
直前日|必要な場合だけ10時間前後
体調と睡眠を維持できる人は、直前期に午前・午後の演習を増やせます。
ただし、時間を増やす理由は「専念だから」ではなく、全科目の回転と本試験演習に必要だからです。
通信での学習は孤独になりがちですが、スケジュールの習慣化とルーティン化によって毎日同じ時間に同じ科目に取り組むことで、自然と学習リズムができました。
(R7Ⅱ短答合格者)
時間割を毎日作り直すより、「朝は財務計算」「昼は講義と復習」「夜は理論」のように置き場所を固定すると、勉強開始までの迷いを減らせます。

1週間は「6日進めて1日調整」で作る
専念受験生は、毎日を同じ強度にしなくても構いません。6日間で新しい内容と復習を進め、残り1日を調整と休養に使う方法があります。
1週間で確認すること
・予定した講義と復習が終わったか
・計算科目を何日空けたか
・理論科目の回転が止まっていないか
・答練の間違いを原因まで直したか
・睡眠、運動、休養を削り続けていないか
遅れた内容をすべて翌週へ送ると、計画はすぐに膨らみます。重要度の低い内容を削る、講義速度を見直す、受験時期を変えるなど、計画そのものを調整してください。
専念なら隔週か週1程度で遊ぶ。
(R8Ⅰ短答合格者)
休む頻度は人によりますが、遊びや休養をゼロにしなければ合格できないわけではありません。
予定にない休みを罪悪感の中で取るより、最初から半日または1日を調整枠にしておく方が戻りやすくなります。

専念受験生が失敗しやすいスケジュール
講義を進めることが目的になる
時間があると、講義を倍速で何コマも見る計画を立てがちです。しかし、復習せずに進むと「見たことはあるが解けない」範囲が増えます。
講義の終了数だけでなく、翌日に例題を解けるか、1週間後に説明できるかを確認してください。
毎日10時間を守ることが目的になる
時間を記録することは役立ちますが、数字を埋めるために簡単な教材ばかり選ぶ、机にいる時間だけを増やすのはちょっと違いますよね。
時間よりも、何をその日にするのか、を目標にしましょう。
教材を広げすぎる
専念なら全部できると思い、複数予備校の教材や重要度の低い論点へ手を広げることがあります。
まず所属予備校の教材を回し、追加教材は不足する目的が明確な場合だけにします。
人と話さず生活リズムが崩れる
通学・出勤がないと、起床や食事の時刻が後ろへずれやすくなります。
自習室、オンライン自習室、答練、運動、家族との食事など、1日の区切りを作ってください。
不調を気合いで上書きする
眠れない、食欲がない、長期間机に向かえないなどの状態が続くなら、勉強時間の問題だけではありません。
家族、予備校、医療機関などへ相談し、必要なら計画を止めてください。
専念期間が長くなるほど、資金、孤独、将来への不安が勉強へ影響することがあります。「もっと時間を増やせば解決する」と決めつけず、生活・教材・受験時期のどこに原因があるか分けて考えましょう。
短答合格後は論文用の1日へ切り替える
短答合格後は、勉強時間をそのまま維持するだけでは足りません。科目とアウトプットの形が変わります。
論文期に切り替える内容
・租税法と選択科目を計画へ入れる
・短答科目を論証、記述、計算答案へ切り替える
・答練を受け、時間配分と部分点の取り方を確認する
・法令基準集の引き方を練習する
・科目ごとの偏差値と弱点から時間配分を見直す
短答期のように正誤を覚えるだけでなく、「何を答案に書くか」「分からない問題でどこまで点を取るか」を練習します。
1日目安…学生時代:3時間程度 専念時代:8~9時間程度
(R7論文合格者)
この回答者は大学卒業後に専念へ移り、勉強時間を増やしました。
ですが、同じ合格体験記では1日の計画を作らなかった失敗も振り返っています。
時間が増えた後も、何を行うか決める必要があります。
予定表に予備の時間をつくることで、決めた時間をオーバーしてもモチベを保ったまま勉強できる
(R7論文合格者)
論文答練の復習は、想定より時間がかかります。1日をぎりぎりまで埋めず、未消化を吸収できる余白を置きましょう。



専念スケジュールを作る6ステップ
公式日程を確認し、第Ⅰ回・第Ⅱ回短答と論文のどこまでを今回の専念期間に含めるか決めます。
睡眠を削った理想時間ではなく、毎日続けられる生活から勉強可能時間を出します。
午前は計算や答練、午後は講義と復習、夜は理論など、迷わず始められる定番を作ります。
講義数、問題数、答練復習など、終わったか判断できる単位で予定を作ります。
体調が悪い日に守る復習と、週の遅れを戻す時間を最初から確保します。
実勉強時間、教材の消化、答練、睡眠を確認し、量・優先順位・受験時期を調整します。
専念受験生の合格体験記を読む
勉強時間だけでなく、専念前の環境、生活費、体調、受験回数、予備校まで自分に近い人を探してください。

9か月で短答合格した専念例

社会人から専念へ移った例

専念受験生の勉強スケジュールに関するよくある質問
- 専念受験生は1日何時間勉強すればよいですか?
-
まず休憩を除く実勉強8時間前後から試し、2週間の教材進捗と体調で調整してください。合格体験記でも3時間から10時間超まで幅があり、合格を保証する時間は当然ながらありません。
- 毎日10時間勉強できないと不利ですか?
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時間を確保できる点では有利ですが、10時間を達成すること自体が目的ではありません。8時間で教材を確実に回し、睡眠と体調を保てる方が継続しやすいです。
- 専念すれば短期合格できますか?
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短期合格の可能性は高められますが、保証はされません。学習開始時の知識、復習、教材選び、体調でも変わります。
- 専念期間は何年を想定すべきですか?
-
一律には決められません。まず次の短答と論文までの資金・生活を確認し、試験結果ごとに専念を続ける条件を決めてください。「受かるまで」と期限をなくさないことが大切です。まあでも2~3年は覚悟しておいたほうがいいとは思います。
- 第Ⅰ回短答と第Ⅱ回短答のどちらを目指すべきですか?
-
現在の教材進捗と答練成績で決めます。論文まで考えると第Ⅰ回短答後は準備期間を取りやすい一方、未完成のまま急いで受けるべきとは限りません。予備校とも相談してください。
- 5月短答から8月論文に合格できますか?
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合格例はありますが、約3か月しかありません。短答前の完成度、租税法・選択科目の進捗、1日の勉強時間によって難易度が大きく変わります。
- 専念中にアルバイトをしてもよいですか?
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生活費、気分転換、社会との接点として役立つ場合があります。一方、通勤と疲労で学習が遅れることもあります。必要な収入と学習時間を測り、直前期の扱いまで決めるようにしましょう。
- 専念受験生は予備校へ通学した方がよいですか?
-
通学は生活の区切りや受験仲間を作りやすく、通信は移動時間を減らせます。どちらでも合格は可能です、校舎の距離、質問環境、自分の生活リズムで選びましょう。
- モチベーションが続かないときはどうすればよいですか?
-
気分だけで始めず、毎日同じ時刻と科目を固定します。自習室、答練、オンライン自習室、週1回の振り返りなど、外から区切りが入る仕組みも使ってください。
- 退職して専念するか、働きながら続けるか迷っています
-
まず働きながら確保できる実勉強時間と教材進捗を測ってください。退職後の生活費、専念期限、再就職の条件まで整理し、時間不足が本当の原因かを確認してから決めます。
まとめ|専念の強みは長時間ではなく学習を設計できること
専念受験生は、まとまった勉強時間を確保できます。しかし、空いている時間を全部勉強で埋めるだけでは、その強みを生かせません。
・合格体験記でも、勉強時間と合格までの期間には幅がある
・まず実勉強8時間前後から、教材進捗と体調で調整する
・午前、午後、夜の3ブロックに役割を持たせる
・1週間に調整日と休養を入れる
・短答合格後は租税法、選択科目、記述、答練へ切り替える
・資金、家族、体調、専念期限もスケジュールの一部にする
専念の本当の強みは、誰より長く机に座れることではなく、自分の弱点に合わせて1日と1週間を組み替えられることです。
勉強できなかった1日より、翌日も始められる仕組みの方が大切です。
時間だけで自分を評価せず、教材が前へ進んでいるかを見ていきましょう。






