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独立会計士は一人で続ける?外注・採用の判断基準と始め方

この記事は以下の方におすすめ
・独立後、仕事が増えて一人で抱えるのが厳しくなってきた方
・外注と採用のどちらが自分に合うか迷っている公認会計士の方
・人に任せたものの、説明や確認でかえって忙しくなった方
・一人で続ける働き方も含めて、事務所の今後を考えたい方
とむやむくん一人で続けるか、人に任せるかは、仕事量だけでなく、どんな仕事を続けたいかと、任せた後の負担等から考えましょう。
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
うーんそろそろ自分だけじゃ厳しいな…
幸せな悩み、ですよね(ですよね?)
さて、独立会計士が外注・採用を検討するときは、まず今の仕事のうち何を任せられるかを考えましょう。
その業務が一時的なら外注を、
毎月継続し、教育や労務管理も担えるなら採用を、となると思います。
もしくは、一人で受ける仕事を調整する選択もあります。
この記事では、一人・外注・採用を比べ、最初に任せる業務や、費用と時間の考え方を具体例で説明します。
独立後の仕事の取り方や事業運営を全体から確認したい方は、こちらも参考にしてください。

独立会計士は、一人・外注・採用をどう選ぶ?
売上が増えたら採用しなくちゃ…!
なんて感じで順番にこだわる必要はありません。
自分が専門業務を続けたいのか、チームを育てて受けられる仕事を増やしたいのか
この辺りを判断の軸にしていきましょう。
| 体制 | 検討したい場面 | 自分に残る負担 |
|---|---|---|
| 一人で続ける | 自分の専門業務を中心に、受注量を調整したい | 実務と事務の両方 |
| 外注する | 任せる業務と依頼条件を定められる | 説明・連絡・成果物の確認 |
| 採用する | 継続する役割があり、教育と雇用管理を担える | 育成・確認・労務管理 |
一人で続けるなら、受ける仕事と稼働時間を決める
一人で続ける良さは、なんといっても仕事の進め方を自分で決めやすいことです。
ただ、実務以外の仕事も自分に戻ってきます。
クライアントへの提案資料作成、連絡や請求を含め、どれだけの時間で今の仕事を回せるか確認しておきましょう。
一人で続けるなら、新しい依頼を受ける前に、今の約束を守れる余裕があるか確認してください。
売上を増やすために毎晩働く状態が続くなら、受注の条件を見直す時期かもしれません。
とむやむくん独立して思うのは、この「クライアントに請求できないんだけど稼働している時間」が結構あるなあ…ということです。これがあまりに増えると、事務担当の方を増やすという選択もあるかもしれません。
外注なら、成果物や作業範囲を定めて依頼する
外注は、雇用せずに外部の力を借りる方法です。
必要な時期に資料の集計を依頼するなど、業務単位で検討できます。
依頼する側には、使う資料や完成形を伝え、納品されたものを確認する仕事は自分でやることになります。
「いや会計士だから対して説明しなくてもわかるでしょ」とは考えない方がよいです。
なので外注した作業の時間が、そのまま自分の空き時間になるわけではありません。
最初は資料の準備や確認の往復にも時間がかかるので、小さな依頼で確かめるのが現実的です。
採用なら、継続して任せる役割と育成を考える
毎月発生する業務を事務所の中で担ってもらいたい場合は、採用を検討しましょう。
事務担当者を雇うのか、会計実務までできる方を雇うのか、でも結構支出は変わります。
また、正社員だけでなく、短時間勤務の従業員を採用する選択肢もあります(パートさん的な感じですね)
もちろん働く時間が短くても、教育や確認、雇用管理は必要です。
忙しさの原因を確認してから、人に頼む
最初に確認したいのは、人手が必要な仕事がどこにあるかです。
受注条件や作業方法を変えるだけで負担が減るなら、外注や採用の前に試してみましょう。
(自分だけで完結するならそれが一番安上がりですからね)
最近の稼働から、何に時間がかかっているか確認する
直近のカレンダーや作業記録を見て、予定より時間を使った仕事を確認してみましょう。
たとえば月次報告の案件なら、集計に時間がかかっているのか、会計処理の検討に時間がかかっているのかで対応は変わります。
同じ数値を何度も転記しているなら、まず集計方法を改善できるか検討します。
資料がそろわず連絡を繰り返しているなら、クライアントと提出期限や窓口を相談する方が先かもしれません。
業務量が多い場合と、資料や手順が整っていない場合では、人を増やした後の効果も変わります。
事務や資料作成の効率化を先に試したい方は、こちらも参考にしてください(独立会計士には最早AIは必須ツールですよね…)

一時的な繁忙なら、仕事の時期や受け方も調整する
一つの案件が重なった月だけ忙しいなら、その状態を前提に毎月の人件費を増やすと、案件が終わった後に負担だけが残ってしまいます。
まず、開始日をずらせる依頼がないか、業務の範囲を見直せるかを相談します。
今月の忙しさが、来月以降も続く仕事なのかを確かめてから体制を増やしましょう。
独立会計士が最初に任せる業務は、どう選ぶ?
最初のうちは、自分で全て説明できて、しっかり確認できる業務になるかと思います。
専門的な判断を伴う仕事なら、相手の経験や資格、担当できる範囲を確認します。
手順を説明できる業務から任せる
他の人に任せるなら、いろんなことをやってほしいな…
と思う気持ちはあると思いますが、最初のうちは自分がしっかり説明できる業務を依頼するようにしましょう。
これが安定してきたらだんだんと依頼する業務の幅も増やしていく…
というのがいいと思います。
とむやむくんまずは「お、意外と他の人に仕事任せるの良いな?」というのを体験してみるのがいいですね。
専門家と組むなら、担当範囲とクライアントの窓口を決める
一方で、自分とは異なる経験を持つ会計士と一緒に仕事をする方法もあります。
たとえば自分が月次決算の支援を担当し、別の専門家がシステム導入の支援を担当する形です。
一方が受注して再委託するのか、それぞれがクライアントと契約するのかを決める必要はあります。
誰が契約し、誰が説明し、誰が成果物を確認するかを、協業前に合意しましょう。
(あとあともめないように…)
外注費だけでなく、説明・確認の時間を計算する
外注の効果は、支払った費用と、実際に減った自分の作業時間を合わせて確認しましょう。
外注前の時間から、説明と確認の時間を差し引く
次は、資料作成を外注した場合の例です。
自分だけで行うと20時間かかる作業を他の人に任せた後、次の時間を使ったとします。
- 資料の準備と依頼内容の説明:3時間
- 納品された資料の確認:4時間
- 修正の連絡と再確認:1時間
これらの作業で合計8時間なので、その月に減ったのは12時間です。
なので外注した作業が20時間分でも、20時間すべてが空く計算にはなりません。
費用を払って、何が変わるかを確認する
先ほどの仮例で外注費を6万円とすると、自分の時間を12時間減らすために、1時間当たり5,000円を支払った計算です。
その12時間を追加の仕事に使えるなら、その売上と外注費を比べて、有益!と思えるなら外注するという判断になります。
(休息に充てる、という考えもあるかとは思いますが)

外注は、小さな依頼と契約・情報管理の確認から始める
外注先が決まっても、すぐに資料を全部渡すのは避けたいところです。
依頼内容と受け渡す情報を決め、クライアントとの取り決めに沿って進めます。
小さな依頼を有償で始め、完成の基準を共有する
最初は範囲を限定した有償の依頼で、こちらの説明が伝わるか、納品物を確認できるかを確かめます。
月次面談用の集計資料なら、依頼内容を次のように示せます。
資料集計の依頼例
・対象:指定した元資料から、見本と同じ様式へ数値を集計する
・納品:期日までに、集計ファイルと未確認事項の一覧を共有する
・確認:不一致がある場合は元資料を変更せず、該当箇所を報告する
・対象外:会計処理の判断、クライアントへの直接回答
・条件:報酬・支払期日と、修正を依頼する範囲を着手前に合意する
完成例と確認する項目が共有されていると、説明漏れによるやり直しを減らしやすくなります。
再委託の可否と、共有してよい情報を先に確認する
クライアントから受けた仕事を他の人へ任せる場合は、元の契約で再委託が認められているかを確認します。
必要な承諾を得る前に、資料を共有しないようにしましょう。
(再委託はできません、という場合もたまにあります)
外注先へ渡す資料や権限は、依頼する仕事に必要な範囲に絞り必要以上に渡さないようにしましょう。
採用を考えるなら、仕事量・資金・育成の準備を確認する
採用を判断する場面は人それぞれです。
雇った人が継続して担う仕事と、支払いの見通し、働いてもらう環境を確認しましょう。
継続する仕事量と、支払える資金を確認する
年間の売上が大きくても、一つの大型案件が終われば仕事量が減るかもしれません。
今ある契約の終了時期と、毎月発生する作業を見て、どの役割をどれくらい任せられるか検討します。
人件費には給与だけでなく、条件に応じた保険料の事業主負担や、業務に使う端末・ツールの費用も見込みます。
(人を雇うのって大変ですよね…)
採用活動や教育にも支出と時間が必要です。
売上が減る月や入金が遅れる月にも、給与等を支払えるか確認しましょう。
継続する仕事を増やしたい場合は以下の記事もご覧ください。

教育・確認・労務管理を自分の予定に入れる
人を雇うと、最初は教えるための時間が増えます。
繁忙期の真ん中で「今日から全部お願いします」と始めるより、説明と確認をできる時期に迎えた方が進めやすいです。
初めの月は、完成例に沿った資料作成を担当してもらい、その後に扱う業務を増やすなど、習熟に合わせて進めます。
質問できる時間と確認する担当者が決まっていれば、従業員も判断に迷ったまま作業を進めずに済みます。
採用後は、自分が実務をする時間に加えて、人を育て、働く環境を管理する時間が必要になります。
その役割も引き受けたいか、求人を出す前に考えてみてください。
体制を増やした後も、無理なく続けられるかを確認する
外注や採用をしただけで、仕事が回るようになるとは限りません。
最初の依頼や一定期間の運営を終えたら、実際の時間と品質を見て、担当範囲を調整します。
月ごとに、時間・品質・費用を振り返る
先ほどの集計資料の例なら、自分の確認時間が減ったか、不一致の報告が適切か、クライアントへの提出が予定どおりできたかを確認します。
やり直しが多い場合は、元資料が不足していないか、完成例が伝わっているかを確かめましょう。
確認の時間が減り、必要な品質を保ててから、任せる範囲を増やす方法もあります。
最初から事務所全体を変えなくても、続けられる形を少しずつ探せます。
まとめ:人数より、続けたい仕事に合う体制を選ぶ
独立会計士が一人で続けるか、外注・採用をするかに、全員共通の正解はありません。
得意な仕事を自分で続ける方法も、他の人と協力して受けられる仕事を増やす方法もあります。
・まず、何に時間がかかっているか確認する
・任せる業務は、完成形と確認方法まで決める
・外注費と、自分に残る説明・確認の時間を比べる
・採用は、継続する役割と資金、育成の準備から考える
まずは最近の仕事から、毎回時間がかかる作業を一つ選んでみてください。
手順を改善するか、人に任せるか、受注条件を変えるか。
その一つを検討するだけでも、次の判断がしやすくなります。
周囲の事務所が大きくなっていても、自分も同じ道を選ぶ必要はありません。
クライアントへの約束を守りながら、自分が続けたい働き方に近づける体制を選んでいきましょう。
独立会計士の外注・採用に関するよくある質問
- 独立会計士は、一人で続けてもよいですか?
-
一人で続ける方法もあります。受ける仕事と件数を調整し、実務以外の連絡・請求まで含めて、無理なく対応できる体制かを確認してください。
- 外注と採用は、どう選べばよいですか?
-
業務や成果物を定めて外部へ依頼できるなら外注が候補になります。継続する役割があり、教育・労務管理と支払いを担えるなら採用を検討できます。働き方の実態に合う契約を選ぶことも必要です。
- 最初に外注する業務は、何がよいですか?
-
自分が完成形を説明でき、確認方法も決められる業務が候補です。決まった様式の集計などを小さく依頼し、不明点をどこで報告してもらうかも伝えましょう。
- 外注しても、自分の時間が減らないのはなぜですか?
-
資料の準備や説明、成果物の確認に時間が残るためです。完成例や手順の共有が不足していないかを確認し、同じ業務量で自分の総作業時間を比べてください。
- 売上がいくらになったら、採用を考えるべきですか?
-
一律の金額では判断できません。継続する業務量、給与等の支払いに使える資金、教育・確認に充てる時間を確認し、自分の事業に合う役割と雇用条件を検討してください。
- 外注先と秘密保持の契約を結べば、クライアントの資料を渡してよいですか?
-
その契約だけで判断しないでください。元の契約の再委託・情報共有の条件と、必要な承諾を確認したうえで、依頼に必要な範囲の資料を共有します。
- 他の会計士と協業するときは、何を決めればよいですか?
-
契約する主体と担当範囲、報酬の受け取り方、クライアントの窓口を合意します。成果物の確認を誰が行うかと、関与する業務の資格・独立性等も確認してください。
