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公認会計士の独立後完全ガイド|仕事の取り方・収入・顧客・事業運営

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公認会計士の独立後完全ガイド|仕事の取り方・収入・顧客・事業運営
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この記事は以下の方におすすめ
・独立したばかりで、仕事とお金の見通しを立てたい公認会計士
・非常勤の仕事はあるけれど、自分の顧客も増やしたい方
・独立後1〜3年ほど経ち、継続収入や事業運営を整えたい方
・一人で続けるか、外注や法人化を考えている方

とむやむくん

独立した後の仕事の取り方から、無理なく事業を続けるための管理までをまとめました。

筆者(とむやむくん)プロフィール

・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中

公認会計士として独立することと、その後も事業を続けることは、考えることが少し違います。

独立後にまず整えたいのは、目の前の収入を確保しながら、受注から入金までを確実に回せる状態です。

そのうえで、自分の顧客と継続する仕事を育てていきます。

「今月は忙しいけれど、来月以降は分からない」「仕事は来るのに、思ったほど自由にならない」

独立後、この辺りのお悩みは多いのではないでしょうか。

この記事では、当サイトの独自調査と独立会計士へのインタビューも使いながら、仕事・営業・価格から事業運営までを整理します。

退職や開業準備をこれから進める方は、先に「公認会計士の独立ロードマップ」をご覧ください。

本記事は、独立した後の事業をどう続けるかに重点を置いています。

目次

独立後の公認会計士の全体像

独立会計士とは、組織に雇われる働き方だけに限らず、自分の責任で仕事を受け、事業を営む公認会計士です。

非常勤監査を併用する人もいれば、自分の事務所や会社の顧客を中心に活動する人もいます。

仕事を選び、受注・入金・更新までを一つの流れで考える

仕事を取って終わり、ではなく、納品後の入金、次の依頼につながるところまで設計しましょう。

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今の状況先に読むところ今日決めること
独立直後で仕事の見通しがない仕事内容案件獲得提供できるサービスと相談する相手
収入の変動が大きい収入源継続契約確定収入と見込み収入の区分
忙しいのに手元に残らない価格契約案件にかけた総時間と追加作業
管理作業が追いつかない顧客管理経理毎週確認する台帳
一人での働き方を見直したい外注・採用法人化増やしたい利益と残したい時間

独立直後にまずやること

仕事を受けるための環境と、受けた仕事を滞らせない仕組みを先に整えます。

最初から立派な事務所や高機能なシステムをそろえる必要はありません。

最初の案件を受けられる状態にする

業務用の連絡先を決め、問い合わせから打ち合わせまでの流れを試しておきます。

プロフィールには監査法人での役職だけでなく、独立後に提供できる支援を書きましょう。

例えば決算支援なら、月次の締め作業を一緒に進めるのか、経理担当者が作った資料をレビューするのかで仕事が違います。

経験年数だけでなく、相手が依頼できる作業と成果物が分かる説明が必要です。

公表する実績は、顧客から掲載許可を得た範囲に限定しましょう。

(守秘義務、大事ですからね)

PCや通信環境も、顧客指定の接続方法・情報管理条件に対応できるかを確認してください。

請求と予定の管理を初日から始める

案件名、納期、請求予定日、入金予定日をしっかり記録しておきましょう。

事業に使う口座やカードを生活用と分けると、後から取引を追いやすくなります。

口座開設時には利用目的や名義の条件を確認し、取引先へ伝える請求情報をそろえましょう。

予定表には顧客との約束だけでなく、自分の経理や他雑務をする時間も入れておかないと後でとんでもなく忙しくなります。

独立会計士にはどんな仕事がある?

独立後の仕事は監査と税務だけではありません。

かといってなんでもやっていくのも限界があるので、自分が責任を持って提供できる範囲を決め、足りない経験をどう補うかとセットで考えます。

仕事内容・経験・契約の続き方を比べる

同じ仕事でも、企業から直接受ける場合と、専門会社のチームに入る場合では役割が変わります。

業務名が同じでも、成果物と責任の範囲が違えば報酬も大きく変わります。

(やはり企業から直接受けたいですよね…)

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仕事主な内容・向く経験単発/継続単価を考える軸
非常勤監査監査手続やチーム支援/監査実務繁忙期・年間など契約次第時間・日数、担当範囲
経理・決算支援月次・年次決算を進める/経理実務や決算への理解継続にしやすい業務量と締め日対応
会計アドバイザリー会計処理や開示の検討/該当論点の経験スポット・継続論点の難しさと成果物
FAS・M&A支援財務DDや企業価値評価など/各業務の経験プロジェクト中心調査範囲と責任
IPO支援上場へ向けた管理体制の整備/準備企業支援一定期間の継続担当工程と稼働
内部統制・内部監査業務プロセスの整備・評価/統制評価等構築案件・定期支援対象拠点と範囲
税務申告・税務相談等/登録要件と税務実務顧問・申告・スポット税目・複雑さ・対応範囲
顧問・社外CFO支援経営者の財務面の意思決定を支援/財務・経営管理月額・年間など会議頻度と役割
社外役員監督や監査等/会社経営とガバナンスへの理解任期による職責・会議外の負担
研修・セミナー教材作成と講義/専門性と説明力単発・シリーズ準備時間と教材の利用範囲
記事監修・執筆専門的な内容の確認・制作/分野知識と文章力単発・継続分量・修正・氏名利用
公会計・公共分野自治体等の会計・監査支援/対象制度の経験年度・案件ごと募集条件と担当範囲
その他の専門領域IT・事業再生・特定業界など/分野の実務経験案件による必要能力と契約上の役割

表は仕事内容を整理したものです。

(これがすべてではもちろんないですが、できるだけ多く書いてみました)

公認会計士資格があるから全業務を当然に受けられる!という意味ではありません。

内容によっては兼務にも、制限がかかわる場合もあるので、注意しましょう。

税務を受けるなら登録と実務体制を分けて確認する

公認会計士資格だけで、他人の申告や税務相談を自由に受けられるわけではありません。

税務代理、税務書類の作成、税務相談を業として行うには、税理士法上の要件を満たす必要があります。

公認会計士が税理士になる場合も、必要な税法研修など該当する条件を確認し、税理士登録を行います。

登録できる=未経験の申告を一人で処理できる…なんてことはありません。

得意分野の税理士へ相談できる体制を作り、受ける税目や案件の範囲を決めましょう。

税務を受けず、会計や監査支援を柱にする選択もあります。

出典:国税庁「税理士制度のQ&A」・税理士の業務

独立直後は収入源をどう組み合わせる?

生活を支える仕事を確保しながら、将来増やしたい仕事に時間を使う。

独立直後から直接顧客だけで売上を作る必要はありません。

生活を支える収入と、育てる仕事を分ける

非常勤監査や既存の業務委託で一定の収入を確保し、空いた時間で直接顧客への提案を進める形もあります。

例えばこちらの記事でインタビューしている疋田さんは、独立時に講師の業務委託収入を見込みながら税理士・社労士の仕事を育て、最初の繁忙期には非常勤監査も併用したと話しています。

組み合わせ方を考える一つの実例です。

出典:とむやむくん日記「【独立会計士インタビュー】会計士×税理士×社労士|SoVa税理士法人・社労士法人疋田さんの仕事・お金・苦労のリアル」

例えば、すでに決まった稼働日をカレンダーへ入れ、残りの枠を営業と直接案件に割り当てます。

何曜日を空けるかまで決めておくと、「落ち着いたら営業しよう」で時間がなくなるのを防げます。

非常勤を週何日にするかに一律の正解はありませが、当然入れすぎると新規の事業を開拓する時間が無くなります。

自分がいま本当にしたいことを考え、行動するようにしましょう。

独立会計士はどうやって仕事を取る?

短期の受注につながる接点を持ちつつ、専門性が伝わる発信を積み上げます。

一つの経路が止まっても相談が続く状態を目指しましょう。

紹介・業務委託から、相手の困りごとを聞く

「仕事をください」より、誰のどの作業を手伝えるかを具体的に伝えましょう。

元同僚等に連絡するなら、「繁忙期の決算支援で、資料整理から仕訳検討まで対応できる」といった具体的な説明にします。

経験を超えた業務まで売り込む必要はありません。

紹介以外では、業務委託エージェントや案件プラットフォームを使って募集条件を知る方法があります。

(案件がとれるようになるまでは使うのも手です)

元の勤務先や監査先との関係には守秘義務・独立性等の確認も必要です。

ちなみに、当サイトの独自調査で掲載した「初めての直接契約」の回答内訳は次のとおりです。

非常勤や下請けを除いた設問で、掲載票数の合計は33票でした。

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最初の直接契約につながった経路掲載票数
知人・友人関係の紹介15票
監査法人時代からのつながり10票
Webサイト・SNS4票
会計士協会・交流会等4票

出典:とむやむくん日記「公認会計士の独立完全ロードマップ!失敗せず食っていく具体的な方法【現役独立会計士438人へ独自調査】」

Web・SNS・直接提案を、相談しやすい入口にする

ホームページやSNSは、知人から紹介された相手が実績を確認する場所にもなります。

ホームページ等があるだけで受注できるわけではありませんが、よく言われる「名刺代わりのHP」も結構重要です。

「何でもできます」より専門分野を作る

専門分野は、紹介する人があなたを思い出す手がかりになります。

狭い業務に最初から全てを絞る必要はありません。

総合型でも、紹介してほしい仕事を言葉にする

例えば中小企業の経理全般を支える総合型みたいなものにも価値があります。

その場合でも、月次決算を早める支援など、最初に相談してもらうテーマがあると伝わりやすくなります。

得意な仕事、増やしたい仕事、今は受けない仕事を分けて説明しましょう。

こちらの記事の川上さんは、紹介が中心の仕事獲得について、頼んでほしい仕事を具体化する大切さを話しています。

専門分野は資格の肩書きを増やすことより、何を依頼できる人かをわかりやすくすることから始められます。

出典:とむやむくん日記「【独立会計士インタビュー】税務経験ゼロから独立|川上公認会計士事務所 川上さんの仕事・お金・苦労のリアル」

独立会計士の価格・単価はどう決める?

価格決めるのってものすごく難しいですよね…。

相場だけで決めず、作業に必要な総時間と、提供する成果・責任を合わせて考えます。

安く受けたから、業務範囲が狭い…なんて思ってたらめちゃくちゃなんでもやらされる、なんてこともあり得ます。

料金体系は、見積もれる範囲に合わせる

料金の形によって、追加作業が増えたときの負担が変わります。

固定報酬では範囲の合意が、時間報酬では時間の見込みと上限の共有が特に重要です。

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料金体系使い方の例先に決めること
時間単価・日当稼働に応じた支援最低単位、移動、時間外対応
固定・プロジェクト報酬決まった成果物を納める前提資料、対象範囲、変更時の再見積り
月額顧問相談やレビューを継続する会議頻度、作業の上限、追加料金
年間契約年間の業務計画に沿って支援する繁忙月、途中解約、請求時期
成果報酬成果と報酬を対応させる設計成果の定義、適法性・倫理上の可否

成果報酬はどの業務にも自由に使えるわけではありません。

監査などの独立性や職業倫理上の制限を確認し、報酬条件が判断をゆがめない設計にします。

出典:日本公認会計士協会「倫理規則」報酬等に関する規定を参照。

見積り後は、実際の総時間で振り返る

調査や打ち合わせ、納品後の対応まで含めて、案件に使った時間を確認しましょう。

例えば、報酬32万円、経費2万円、総作業時間30時間の案件なら、経費を引いた金額を時間で割ると10,000円です。

ここから事務所全体の固定費や自分の税負担等も賄うため、手取り時給ではありません。

見積りでは20時間のつもりでも、資料待ちの確認や追加の修正で30時間になることがあります。

専門性の高い判断を含むか、緊急対応かも踏まえ、次回の価格か範囲を調整します。

記事監修や研修なら、氏名の利用期間や資料の二次利用も条件です。

最初の見積りに書いておくと、後から「そこまで含まれていると思った」という食い違いを減らせます。

単発仕事から継続契約へつなげる

単発の依頼を終えた後、繰り返し起きる課題が残っているかを確認します。

必要な支援が毎月あるなら、それを継続契約として提案できます。

次も必要な作業を、頻度と成果物で提案する

例えば決算資料のスポットレビューで、残高確認が毎月滞っていると分かったとします。

翌月から月次資料を一緒に確認し、問題を早く見つける支援が必要かを相談します。

その際は「何でも相談できる顧問」だけで終えず、確認する資料と定例会の頻度を決めます。

継続契約は、顧客に繰り返し必要な価値があることが前提です。

記事監修から継続レビュー、単発研修から年間の教育支援へ広げる場合も同じです。

毎月の作業と成果を示し、一定期間ごとに続ける意味を確認しましょう。

月額契約でも、相談し放題にすると対応時間を予測しにくくなります。

範囲外の依頼は別途見積りにすることを、契約時に説明します。

とむやむくん

最初は小さくスポットの業務をもらって、その後継続で顧問契約みたいな形になることも結構あると思います。

独立会計士の収入・年収・売上

独立後のお金は、売上だけで判断しないようにしましょう。

会社員時代の給与収入と比べるときも、注意が必要です。

売上・所得・手元に残るお金を区別する

売上から経費を引いた利益と、生活に使えるお金は同じではありません。

個人事業では、事業の売上から必要経費を差し引いて事業所得を考えます。

(さらにその先に所得税や住民税、社会保険料などの負担があります…厳しい)

借入返済のように利益と現金の動きが一致しない項目もあります。

非常勤監査の収入は、雇用か業務委託かという契約と実態によって結構変わってきます。

給与として受け取るものを事業売上へ単純に足して、他の人の売上と比較するのは避けましょう。

法人の場合は、会社の売上・利益と自分の役員報酬も別です。

まず自分の事業で追う数字をそろえると、必要な受注額を考えやすくなります。

独立初年度の年収は下がっている人が多め?

既存ロードマップに掲載された初年度年収の設問では、減収側の選択肢は113票と90票で、合計203票/353票でした。

割合に直すと約57.5%が年収が下がった、と回答しています。

出典:とむやむくん日記「公認会計士の独立完全ロードマップ!失敗せず食っていく具体的な方法【現役独立会計士438人へ独自調査】」

収入が安定するまでの期間にも個人差があります。

他の人の年収に合わせる前に、自分の毎月の支出と入金予定を並べることから始めましょう。

独立会計士の売上を安定させるには?

継続契約を増やすことに加えて、契約が終わる時期と顧客への依存度を確認します。

売上が高い月にも、次の空白期間を見ておきたいところです。

顧客別の売上と契約終了時期を確認する

毎月、顧客別の売上と入金予定をチェックしておきましょう。

主な取引先の契約が同じ月に終わるなら、売上の金額以上に、翌月の落ち込みを意識する必要があります。

一番大きな契約が終わった場合でも、支出を賄えるかを試算しましょう。

仕事を分散すれば何でも安全になるわけではありません。

少額案件を増やしすぎると、連絡と請求の管理が重くなります。

継続性と利益を見ながら、対応できる範囲で分散させましょう。

資金繰り表等では、契約済みの入金と、まだ提案中の案件を別にします。

見込み案件まで確定収入として扱うと、採用やオフィスの支出を早く増やしすぎる原因になります。

顧客との契約・仕事の範囲を明確にする

仕事が決まったら、何をどこまで行うかをしっかり書面等で共有します。

(後でもめないようにするために…ですね、面倒ですけど)

成果物・追加対応・支払条件を先に合わせる

「決算を手伝ってほしい」だけでは、記帳から担当するのか、論点相談だけなのかが分かりません。

業務範囲を曖昧にすると、追加作業と責任だけが増えることがあります。

見積りの前提となる資料と、顧客が準備する事項も確認します。

資料提出が遅れた場合に納期をどう調整するかまで話しておくと、無理な約束を避けられます。

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確認事項契約前に合わせる内容
業務範囲・成果物対象期間、対象会社、納品物、行わない業務
納期・確認方法顧客の資料提出日、検収方法、修正の範囲・回数
報酬・支払金額、経費の扱い、請求時期、支払期限
変更・終了追加依頼の見積り、更新、解約、引継ぎ
情報と責任秘密保持、再委託、データ返却、損害賠償の範囲
他の仕事への影響競業避止、独占条件、利益相反・独立性

追加の依頼が来たら、着手前に範囲と見積りを出し直します。

少しだけなら、と受け続けると、元の契約がいったいどんなだったか分からなくなってしまいます。

監修・執筆・研修では、名前と資料の利用範囲も決める

「公認会計士として確認した範囲」と、氏名や成果物を使える範囲を明確にしましょう。

一度監修した記事が後から変更されても名前だけ残っていると、どの内容を確認したのかが曖昧になります。

改訂時に再確認が必要か、掲載期間はいつまでかを決めておきます。

研修なら録画を社内で使うのか、別の商品として販売するのかで条件が変わります。

著作権の帰属だけでなく、二次利用と編集の可否を具体的に合意しましょう。

責任に備える保険を検討する場合も、対象となる業務と免責事項を契約内容に照らして確認します。

加入しただけで全ての損害が補償されると考えないことが大切です。

独立会計士の顧客管理

顧客管理は、連絡先を保存するだけではありません。

誰に何を約束し、次にいつ動くかを残すことです。

最初は小さな台帳で、約束と入金をつなぐ

記憶で管理できるうちは、システム化を後回しにしたくなりますよね。

ですが、更新の連絡を忘れたり、請求漏れに後から気付いたりすると、仕事そのものが順調でも収入が途切れます。

顧客台帳等に「次の行動」と「期日」を入れると、管理が日々の仕事につながります。

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管理する単位残す情報確認するタイミング
顧客担当者、契約相手、連絡先、合意事項窓口や契約変更時
案件対象業務、納期、現在の進捗、次の行動週次
請求・入金請求額、送付日、支払期限、入金実績請求時・週次
契約更新終了日、更新判断日、次回提案終了前の余裕がある時期
顧客別収益売上、直接費、対応時間月次

顧客と案件が一対一とは限らないので、顧客名だけで管理せず案件にも番号を付けたりすると整理しやすくなります。

台帳には必要最小限の情報を載せ、契約書や機密資料は権限を管理した保存場所へ分けます。

ツールは表計算からでも始められます。

件数が増えて情報が分散し始めたら、CRMや案件管理サービスを検討しましょう。

独立会計士の経理・確定申告

自分の経理も、顧客の仕事と同じように期限を決めて進めます。

確定申告の直前に一年分を集める形は避けたいところです。

(自分の確定申告は一番後回し、なんて方は結構多いのではないでしょうか。以下、わかっていらっしゃるとは思いますが一応書いておきます。)

帳簿・証憑・事業と生活の支出を整理する

事業に関する帳簿と証憑は、日々の取引と対応させて保存しましょう。

事業用口座やカードの明細を取り込んでも、業務に必要な支出かの判断まで自動で終わるわけではありません。

家事と共通する支出なら、合理的な区分の根拠を残します。

請求書をメールで受け取った場合などは、電子取引データの保存要件も確認します。

紙をまとめて置くだけ、明細を取り込むだけで済むと考えず、証憑の形に合った保存方法を決めてください。

国税庁の記帳資料は、事業の記録や帳簿書類の保存を確認する入口になります。

青色申告の適用や届出は自分の状況と期限を確認し、不明点は税務署や税理士へ相談します。

出典:国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」記帳・保存と必要経費の考え方を参照。

消費税・インボイスを自分の条件で確認する

所得税の確定申告と、消費税の申告は別に考えます。

インボイス発行事業者の登録を受けた場合、売上規模が小さくても消費税の申告が必要になり得ます。

免税・課税の判定や経過措置は、対象期間と適用条件を確認します。

「売上がこの金額以下だから関係ない」と決めつけず、取引先からの要請も含めて登録による影響を整理しましょう。

納付のためのお金を生活費と分けて管理しておくと、申告時の支出を見通しやすくなります。

複数の収入形態がある場合や、法人化を予定している場合は、自分で申告するかも含めて税理士へ相談する選択があります。

出典:国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」消費税・インボイスの説明

独立会計士が使うツール・サービス

ツールは、管理したい作業から選びます。

高機能なサービスを契約する前に、いま手間がかかっている作業を特定することから始めましょう。

同じ情報を何度も入力しない仕組みにする

例えば顧客名を案件台帳と請求書へ何度も入力しているなら、その連携が改善の入口です。

料金だけでなく、既存の作業とのつながりと、やめるときのデータ出力を確認しましょう。

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用途選ぶときに見ること
会計・請求書口座連携、証憑保存、入金消込、税理士との共有
銀行・クレジットカード利用条件、明細取得、手数料、権限管理
電子契約相手が使えるか、証跡、検索・保管、解約後の閲覧
クラウド・Web会議顧客指定環境、アクセス権限、保存場所
名刺・Webサイトサービスが伝わるか、問い合わせの管理
タスク管理・CRM次の行動、更新期限、顧客とのひも付け
セキュリティ・バックアップ端末管理、復旧方法、紛失時の対応
生成AI入力できる情報の範囲、規約、出力の確認負担

特定サービスを使うこと自体が目的ではもちろんありません。

導入時には小さな案件で試し、転記の時間や見落としが減ったかを確認します。

機密情報を扱う機能は、顧客との契約に適合するかも先に見ます。

情報管理・セキュリティも重要

顧客の情報を守る仕組みは、一人で仕事をしていても必要です。

問題が起きたときに連絡・復旧できるところまで考えます。

端末・共有・バックアップを一緒に整える

多要素認証と更新を基本にし、共有先と復元方法まで確認しましょう。

ほかにも・・・

業務用アカウントはパスワードを使い回さず、利用できるサービスでは多要素認証を設定。

PCは更新を続け、画面ロックや暗号化など、紛失時に情報を守る設定を確認。

ファイル共有は、リンクを知っていれば誰でも見られる設定のままにしないよう注意。

メール送信前には宛先と添付を見直し、終了した案件の共有権限は回収。

クラウド上にあるだけで安心せず、誤削除やアカウント障害から戻せるかを試す。

端末をなくした場合のアカウント停止方法と、顧客へ連絡する窓口も控えておく。

生成AIへ顧客の資料を入力する前に、契約上の許可とサービス側のデータ取扱いを確認。

氏名を消しても会社が推測できる場合があるので、許可や管理方法が確認できない機密情報は入力しない運用する。

などなど・・・

出典:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版個人事業主を含む対策と生成AI利用の注意点を参照

とむやむくん

たくさん注意することがありますが、気を付けるに越したことはないです…。

公認会計士として守るべきルール

独立後も、専門家としての責任は続きます。

営業を増やす前に、受けられる仕事かどうかを判断する手順を持っておきましょう。

守秘義務・利益相反・独立性を受注前に確認する

公認会計士法の秘密を守る義務に加え、職業倫理上の要求を確認します。

顧客の同意があるかだけで受注可否が決まるとは限りません。

(この辺りはさんざん試験でやったとは思いますが…)

監査への関与と他の業務を併用するときは、依頼人との関係を含めた独立性の確認が必要です。

例えば、非常勤先の監査対象企業から会計支援を頼まれた場合、別契約だから問題ないとは考えません。

役員就任や他資格の業務との境界も確認し、判断に迷う案件は契約前に協会や専門家へ相談します。

公認会計士としての表示や監修者の肩書きも、実際に関与する業務と一致させます。

資格名を載せるだけで内容を確認していない状態は避けましょう。

出典:日本公認会計士協会「倫理規則」

出典:日本公認会計士協会「監査人の独立性チェックリスト」改正のお知らせ

CPDと制度改正の確認を予定に入れる

独立後は、自分で研修の履修状況と報告を管理しましょう。

監査法人から出ると結構忘れてしまうんですよね…。

CPDは合計単位だけでなく、必須科目や従事業務に応じた条件を確認します。

必要な手続きや免除・軽減の適用は、協会の案内とCPD Onlineの本人の状況を照合してください。

一人で続ける?外注・採用する?

売上が増えても、必ず人を雇う必要はありません。

一人で専門性を高める道と、チームで受けられる仕事を増やす道があります。

任せたい作業と、自分に残す判断を分ける

外注を考えるなら、繰り返し発生し、自分が説明できる作業から整理します。

資料整理を任せる場合でも、品質の確認に自分がどれだけ時間を使うかを見積もります。

外注費だけでなく、説明・レビュー・顧客対応に残る時間も含めて判断するようにしましょう。

専門家と協業するなら、誰が顧客と契約し、誰が最終確認を行うかを明確にします。

再委託の可否と秘密保持も先に確認し、資格が必要な業務を誰でも担当できる形にしないことが大切です。

採用は継続的な仕事量と管理体制が見えてから慎重に検討します。

とむやむくん

雇われる方の人生も左右してしまいますからね、無計画な採用はよくありません。

個人事業のまま?法人化する?

法人化は、節税の話だけで決めないようにしましょう。

事業の内容と、これから誰とどのように仕事をするかを先に考えます。

売上の基準だけでなく、運営全体を比べる

税負担・社会保険・信用・管理負担を合わせて比較しましょう。

会社との契約を希望する取引先がいる、採用や共同事業を進めたいなど、法人化を検討する理由は人によって違います。

売上が一定額を超えたら全員が有利になる…みたいな一律の線引きはできません。

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比較すること整理する材料
事業と契約個人と法人のどちらが受注するか、契約切替え、資格業務の範囲
お金利益の見通し、役員報酬、税金、社会保険料、設立・維持費
運営記帳・申告、届出、採用、共同経営、管理に使う時間
とむやむくん

独立して思うのは、法人の信用度の高さですかね…会計士自体も信用度は高いですが、やはり法人化していると少しまた違った重みが出ている感じがします。

独立後に仕事を増やしすぎない

売上を増やすことと、望む働き方に近づくことは、必ずしも同じではありません。

仕事が増えたときほど、受注の基準を確認します。

新しい依頼は、既存の約束を守れるかで判断する

報酬額だけでなく、締め切りが重なる時期や緊急対応の可能性を見ます。

今の顧客の納期を守れないほど受けると、その後の紹介にも影響します。

受けない仕事を決めることも、品質と収入を守るための判断です。

こちらの記事の林さんは、専門性と負担を踏まえて受けない業務を決めていると話しています。

また、目先の売上が増えても、長期的な安定とは分けて考えていました。特定の業務が悪いという話ではなく、自分の体制との相性を判断した事例です。

出典:とむやむくん日記「【独立会計士インタビュー】IPO支援,M&Aアドバイザリー,CFOサービス|スケーレンス株式会社 林さんの仕事・お金・苦労のリアル」

趣味や家族の時間も、仕事が余ったら確保するのではなく予定へ入れます。

楽しさや将来の専門性につながるかも含めて、増やしたい仕事を選んでいきましょう。

とむやむくん

私も最近、報酬はいいけど稼働や束縛される時間が長く、そしてとくにやりたくもない仕事を断りました。あまりに自分の専門分野とかけ離れすぎているものは受けない、と決めるのも有効だと個人的には感じています。

独立後のキャリアはさらに広がる

独立後のキャリアは、一人で会計処理を続ける形に限りません。

顧客と関わる中で、自分の専門性を別の形で届ける道もあります。

経験を、顧問・研修・事業へ広げる

いまの仕事で繰り返し相談されることから、次のサービスを考えてみましょう。

経営者から同じ質問を受けるなら、定例の相談や社内研修にまとめられるかもしれません。

社外役員や共同事業を目指すなら、その役割で必要な経験と責任を確認してから動きます。

新分野へ進む際は、経験のある専門家の補助や協業から始める方法もあります。

自分が持つ資格を広く使うことより、責任を持って提供できる仕事を一つずつ増やす方が続けやすいはずです。

独立会計士のリアルはインタビューも参考になる

独立の形は、得意分野と望む生活で変わります。

年収の大小だけでなく、どんな仕事を選び、どう続けているかを読むと参考になります。

税務・FAS・研修・情報発信を、それぞれの前提と読む

税務と他の収入を組み合わせる形は、前掲の疋田さん・川上さんのインタビューで確認できます。

専門領域を軸にする働き方としては、IPO支援等を手がける林さんの事例もあります。

江上さんはグローバル人材の育成に取り組んでいます。会計の知識を企業の人材育成へ届ける仕事を考えたい方に、事業の作り方が参考になります。

出典:とむやむくん日記「【独立会計士インタビュー】グローバル人材研修を支援|Altus Leap江上さんの仕事・お金・苦労のリアル」

私自身のインタビューでは、情報発信を含む仕事とお金の実態を話しています。

出典:とむやむくん日記「【独立会計士インタビュー】公認会計士・受験生の情報発信|とむやむくんの仕事・お金・苦労のリアル」

独立後によくある失敗・注意点

困りごとは、早い段階で気付けば見直せるものもあります。

忙しさや不安を感じたら、自分を責めるより管理のどこが止まっているかを確認しましょう。

売上だけでなく、継続できる状態を点検する

月に一度、仕事・お金・時間をセットで見直しましょう。

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気になる状態確認すること最初の対処
固定費が先に増えた確定入金で毎月の支出を賄えるか契約サービスと支出の見直し
一社への依存が大きいその契約が終わった後の資金別の接点と営業時間の確保
安く受けた仕事が重い総時間と追加作業次回の範囲・料金の再合意
請求・入金が遅れる検収と支払条件台帳で期限を追い、担当者へ確認
営業が止まっている半年先の契約と相談の入口定期的に近況・提供サービスを共有
誰でも見られる共有が残るアクセス権と終了案件共有停止・必要な権限への変更

一人では判断しづらいときに相談できる同業者も大切です。

独立の継続だけを正解とせず、必要に応じて会社員へ戻ることも含めて働き方を選べます。

まとめ|いま困っているところから事業を整える

独立後は、仕事を取るだけでなく、受けた仕事を無理なく続けられる形にすることが大切です。

全てを一度に整える必要はありません。

まずは進行中の案件を一つ選び、納品から入金、次回の相談までを整理してみましょう。

そこに、今の事業で整えるべきことが見えてくると思います。

独立会計士に関するよくある質問

最後に、独立後の仕事や働き方で迷いやすい点を整理します。詳しい判断は本文の該当箇所も確認してください。

独立後すぐに仕事は取れますか?

独立前の経験や関係、提供する仕事によって変わり、すぐ受注できる保証はありません。今の資金と確定収入を確認し、提供できるサービスを具体化して接点のある相手へ伝えましょう。

非常勤監査をしながら独立してもよいですか?

非常勤監査と自分の事業を組み合わせる働き方はあります。契約条件や独立性を確認し、繁忙期にも直接顧客との約束を守れる稼働に調整します。

独立後の顧客はどうやって増やしますか?

紹介や業務委託などの接点を持ち、自分が何を解決できるかを伝えます。WebやSNSも活用できますが、経路ごとの相談・受注を記録し、自分に合う方法を育てましょう。

独立会計士はいくら稼げますか?

仕事内容と稼働、経費、顧客構成によって大きく違います。売上・所得・生活に使えるお金を区別し、他人の年収より自分の収支を先に見積もることが大切です。

税務をやらなくても独立できますか?

会計支援や非常勤監査など、税務以外を中心に事業を営む選択はあります。税務を業として受ける場合は別に登録等の要件を確認し、対応できる実務体制を整えます。

営業が苦手でも独立後に顧客を増やせますか?

強い売込みだけが営業ではありません。紹介者が説明しやすいサービス案内や、相談内容が伝わる専門的な発信から始める方法もあります。

一人でどこまで売上を伸ばせますか?

一律の上限は示せませんが、作業時間だけで増やす方法には限界があります。専門性と価格を見直し、外注する場合もレビューに残る時間を含めて判断します。

法人化はいつ考えればよいですか?

継続的な利益の見通しや取引先の条件、採用など事業上の理由が出てきたときが検討の機会です。税金と社会保険、維持費を合わせて試算し、売上額だけで決めないようにします。

ホームページやSNSは必須ですか?

全員に同じ手段が必須というわけではありません。紹介された相手が仕事内容と連絡先を確認できる場所を用意し、自分の顧客に合う発信手段を選びます。

独立してから監査法人へ戻ることはできますか?

再就職を検討することはできますが、採用は募集状況や経験などにより判断されます。顧客への引継ぎも含めて準備し、独立継続と同じように一つのキャリアの選択肢として考えましょう。

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