公認会計士を諦める決断とその後。後悔しないキャリア戦略

この記事は以下の方におすすめ
・公認会計士試験の勉強を続けるべきか撤退すべきか本気で悩んでいる方
・短答式試験の結果が振るわず、今後のキャリアに不安を感じている方
・これまでの学習経験を無駄にせず、有利に就職や転職を進めたい方
とむやむくん公認会計士試験は誰もが受かる試験ではありません。諦める、という決断をされる方もいらっしゃるかと思います。
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
公認会計士試験は、数ある国家資格の中でも最難関の一つです。
合格すれば大きなリターンがある一方で、合格までの道のりは険しく、残念ながら「諦める」という選択肢が頭をよぎることもあるかと思います。
しかし、単なる一時的なモチベーションの低下で諦めてしまうと絶対に後悔が残ります。
今回は公認会計士を諦める決断とその後、ということで、まずは客観的に撤退を検討すべき3つの判断基準について解説します。
私は個人的には、あくまでも受験は続けられるなら続けた方がいい派、です。ただ、別に私は予備校の回し者でも何でもないですし、続けることだけが絶対ではありません。今回は判断する上での参考情報の一つとして捉えてください(撤退を強く推奨するものでは全くありません)
公認会計士試験からの撤退を考えるべきタイミング
勉強期間と受験回数の目安
一つの目安となるのが、専業の受験生として学習に専念した期間です。
一般的に、公認会計士試験の合格までに必要な学習時間は4,000時間以上、と言われています。
専業で1日10時間程度の学習を2年から3年継続し、それでも短答式試験のボーダーラインに届かない場合、
4000時間は全然超えていると思いますから、学習方法が根本的に合っていない、とか、
もしくは試験との相性の問題が生じている…可能性があります。
この考え方で行けば3~4回目の短答式試験不合格が一つの大きな見直しのタイミングと言えます。
年齢と未経験就職の限界
公認会計士になれば何歳からでも活躍できる!
というのは確かにその通りだとは思います(転職エージェントを運営している立場からもそう言えます)
ただ、『合格できなかった場合』キャリア戦略の観点から見ると、年齢は非常に重要な要素です。
もし公認会計士試験を諦めて一般企業の経理職や財務職へ就職する場合、実務未経験としてポテンシャル採用される年齢には実質的なリミットがあると言えます。
20代半ばから20代後半であれば、これまでの学習経験が高く評価され、仮に公認会計士試験に合格していなかったとしても、優良企業の経理部へ未経験から採用されるチャンスは十分にあります。
(経理は人手不足らしいですしね)
しかし、30代に突入すると実務経験が重視される傾向が強まるため、20代後半に差し掛かっている場合は、キャリアの空白期間をこれ以上延ばさないための決断が必要です。
とむやむくんこの見極めは結構難しくて、じゃあ多少実務経験があればいいのか、とか、企業を選ばなければ就職できるとか。どれも正解はないので、本当にご自身の判断になります。
精神的・経済的な限界
長期間にわたる試験勉強は、精神的にも経済的にも大きな負担を強います。
貯金が底をつきかけている、または不合格のプレッシャーから心身の健康を崩してしまっている場合は、迷わず休むか撤退を決断すべきです。
キャリアは健康な心身があってこそ築けるものです。
別に公認会計士じゃない働き方だって全然幸せになりますし稼ぐこともできます。
試験に合格することだけが人生の成功ではありません。
ご自身の限界を素直に認めることも、立派なキャリア戦略の一つです。
公認会計士を諦める=失敗ではない理由
公認会計士試験からの撤退を決めた方の多くが
「これまでの数年間を無駄にしてしまった…」
「自分は受験を諦めたした負け組だ…」
のような、強い挫折感を感じてしまっていることがあります
しかし、ビジネスや採用の現場において、この自己認識は完全に間違っていると言えます。
学習で得た高度な会計知識は強力な武器になる
公認会計士試験に向けて膨大な時間を費やして学んだ財務会計論、管理会計論、企業法、監査論などの知識は、ビジネスの根幹を成す極めて実践的なスキルです。
(ビジネスの大事なスキルだから試験範囲である、とも言えますね)
日商簿記1級レベル、あるいはそれ以上の深い会計知識や論理的思考力を持っている人材は、労働市場全体を見渡してもほっっっっんの一握りしかいません。
試験に最終合格できなかったとしても、あなたの頭の中に蓄積されたその知識体系は、
一般企業の経理・財務部門や税理士法人などからとんでもなく重宝される貴重なスキルとなっているんです。
一回公認会計士試験受けて諦めた、とかだとさすがに話は変わってきます。ある程度の期間(1年以上とか)しっかりと腰を据えて勉強をした、というのが重要にはなります。
公認会計士試験撤退後の主なキャリアパス
では、公認会計士を諦めた後、具体的にどのようなキャリアの選択肢があるのでしょうか。
これまでの学習経験を最大限に活かせる代表的な4つの道をご紹介します。
こちらに簡単なシミュレーターを作ってみました、暇つぶしがてら、やってみてください。
会計士受験生向け
ネクストキャリア適性診断
一般企業の経理・財務職への就職
最もよく聞くというか、王道ともいえるのが、安定したキャリアを築ける一般企業の経理職や財務職への就職です。
企業の人事担当者は、公認会計士試験で得た知識と、そこに向き合った努力を高く評価します。
「試験には受からなかったが、難関資格に本気で挑戦し、高度な会計知識を身につけたポテンシャルの高い人材」として歓迎されるケースが多々あります。
上場企業の経理部門に就職し、数年後に中核メンバーやCFO(最高財務責任者)候補として活躍している元受験生は数多く存在します。
とむやむくん私は今はあまりお手伝いしてはいないですが、一般企業から会計士試験経験者を人材として紹介してほしい、というお話はよく受けます。
税理士試験への科目免除やシフト
会計の専門家としての道をどうしても諦めきれない方におすすめなのが、税理士へのキャリアシフトです。
公認会計士試験の学習範囲は、税理士試験の簿記論・財務諸表論とかなりの部分でかぶっています。
もちろん何もしないで科目合格、とまではいかないと思いますが、かなりのアドバンテージがあるのは間違いありません。
税理士法人に就職し、実務経験を積みながら数年かけて税理士資格を取得するルートは、非常に人気のある堅実な選択肢です。
また、公認会計士試験と違い、科目合格を積み上げていくスタイルの試験である税理士試験は、短期間にまとまった勉強時間の取れない社会人におすすめの資格となっています(まあ予備校でもよくそう言われていると思います)
USCPA(米国公認会計士)への切り替え
日本の公認会計士試験の出題範囲の広さや、相対評価の厳しさに合わなかった方には、USCPA(米国公認会計士)への切り替えも有力な選択肢となります。
日本の試験で培った会計知識のベースがあれば、あとは英語での出題形式に慣れるだけで、比較的短期間での全科目合格を狙うことが可能です。
(まあ英語に慣れるだけ、といはいってもそれが難しいんだよ!というのはごもっともなのですが…。合格した方から話を聞くと、そこまで難しい英語じゃないよ?とはよく聞きます)
グローバル展開する日系企業や外資系企業への転職において、USCPAはビジネス英語力と会計知識を同時に証明できる非常に強力なパスポートとなります。
とむやむくん受験料が高めだったり、合格率も少し高めだったり、年間で受けられる回数がすごく多かったり、制度的に会計士試験とはかなり違いはあります。
経営コンサルティングファームへの挑戦
会計の知識を活かして、企業の経営課題を解決するコンサルタントを目指す道もあります。
特に財務デューデリジェンスやM&A支援、企業の業務改善(BPR)などを手掛けるFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)やコンサルティングファームでは、数字に強い人材が常に不足しています。
試験勉強で培った論理的思考力と高度な会計知識をアピールできれば、未経験からでも挑戦できる魅力的なフィールドです。
ただ、未経験から参画する場合は年齢を重視される傾向がある印象があります。動き出しは早い方がいいかもしれません。
撤退を決断した後にまずやるべきこと
「公認会計士を諦める」と仮に決断したとしたら、
立ち止まらずにすぐ次のアクションを起こすことが、キャリアの空白期間を最小限に抑える最大のコツです。
(そのためにも諦める、という決断は本当にゆるぎないものにしておく必要があります。未練があるならきちんと解消してからにしましょう)
これまでの経歴の洗い出しと履歴書・職務経歴書の作成
まずは、自分がこれまでに何を学んできたのか、どのような知識が身についているのかを客観的に洗い出ししてみましょう。
正社員としての職歴がない場合でも、履歴書や自己PRの欄に「1日10時間の学習を数年間継続した圧倒的な忍耐力」や「財務会計および管理会計の高度な専門知識」を堂々と記載してください。
挫折をバネにして次のキャリアへ挑戦する前向きな姿勢は、採用担当者の心を打ちます。
とむやむくん私は合格者ですが今でも営業などで「働きながら1日5時間の勉強を5年以上やった」とか伝えると、かなり良い印象を持ってくれます。社会人受験してよかったーと思える瞬間です。
会計人材に強い転職エージェントの活用
経理職や税理士法人への就職を目指す場合、一般的な総合型転職サイトではなく、会計・財務領域に特化した転職エージェントを利用することを強くおすすめします。
専門のエージェントは、公認会計士試験の学習経験がいかに市場価値が高いかを熟知しています。
あなたの現在の学習状況やキャリアの希望を丁寧にヒアリングし、学習経験者を歓迎する優良企業の非公開求人を紹介してくれます。
一人で悩みを抱え込まず、まずはプロにキャリア相談をしてみることで、一気に視界が開けるはずです。
(もしエージェントにお悩みなら、こちらのエージェントがおすすめです)
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私の体験談とメッセージ
私自身は働きながら受験をしていたので、
幸いにも職歴上のブランク期間、というものはありませんでした。
ただそれでも、「このまま合格できなかったら人生どうなるんだろう」「数年間の勉強期間がただただ無駄になってしまんじゃないか」というのはいつも感じていました。
(当時の職に残り続ける、というビジョンは全く見えていなかったので)
さらに年齢も30代に入っていましたし、受からない受からない受からないで、本当にきつかったです。
でも今にして思えば、そこからでも上に書いたように経理に転職も全然できたと思いますし、会計士資格だけがすべてじゃないな、というのは合格したからこそ直で感じています。
絶対に合格しなければならない…!そこにしか人生の道はない…!という盲目さが逆にメンタル上よくなかったのかもしれません。
(まあそのマインドがあったからあきらめずに合格できたのかもしれませんが)
もし、会計士試験を諦める、という決断をなさったとしても全然大丈夫です、
無責任かもしれませんが人生一生懸命生きていれば結構何とかなります。
ただその判断をするのは本当に慎重に。
本当に慎重に(二回目)。
悔いを残さない、というのは難しいと思いますが、できる限り悔いを少なくしてから判断するようにしてください。
まとめ:次の一歩が、あなたの本当のキャリアの始まり
公認会計士試験から撤退したからと言って、全然人生の負け確定、なんてことはありません。
むしろ、超難関試験に本気で挑んだという事実と、そこで得た知識・論理的思考力・忍耐力は、これからの長いビジネス人生において何物にも代えがたい大きな財産になります。
大切なのは、過去の決断をいつまでも後悔することではなく、その貴重な経験を活かして次の一歩をどう踏み出すかです。
経理職、税理士、コンサルタント、あるいは全く別の道。
あなたのこれまでの努力を正当に評価し、必要としている場所は必ず存在します。
もし今、進むべき道に迷い、立ち止まっているのなら、まずは会計専門のキャリアコンサルタントに相談し、ご自身の「本当の市場価値」を知ることから始めてみてください。
あなたの新しい挑戦を心から応援しています。





