修了考査に落ちた!落ちる人の特徴と次へ向けた挽回戦略

この記事は以下の方におすすめ
・修了考査に落ちてしまい、今後のキャリアに不安を感じている方
・修了考査に落ちる人の特徴を知り、来年確実に合格したい方
・監査法人の激務と勉強の両立に限界を感じている方
・修了考査未了の状態で転職が可能か知りたい方



修了考査に落ちてしまった…。そんな時の挽回の方法と、キャリアについて解説します。
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
修了考査に落ちた絶望から立ち直るために
監査法人での厳しい残業やプライベートの時間を削って挑んだ修了考査。
ですが結果実らず、不合格という結果を突きつけられた時の絶望感は想像に難くないです。
特に、一緒に苦労を乗り越えてきた同期たちが次々と合格し、自分だけが取り残されたような劣等感は、若手会計士にとってなかなか厳しいものがあります。
しかし、まずは冷静になってください。
修了考査は合格率が約70%と言われていますが、裏を返せば「3割の優秀な会計士補が落ちる試験」です。
(とんでもない試験ですよね)
難関の公認会計士試験(論文式)を突破したエリートたちの中での3割ですから、決してあなたが無能なわけではありません。
この記事では、現役公認会計士の視点から、修了考査に落ちてしまう方の特徴と、来年の合格に向けた挽回戦略、
そして「そもそも監査法人を辞めて転職すべきか…?」というキャリアの選択肢について解説します。
修了考査に落ちる人の3つの特徴
修了考査に落ちてしまう方は、ある程度共通点があります。
能力の差、ということではなく、「環境への適応」と「試験に対するスタンス」の差です。
来年確実に合格を掴むために、まずは自分自身が以下の特徴に当てはまっていないか確認してみてください。
1. 監査法人の激務を言い訳にしてしまう
修了考査を受験する入所3年目〜4年目は、ちょうど現場の主戦力として扱われ、インチャージ(主査)を任され始める時期かと思います。
マネージャーからのプレッシャーと後輩の指導の板挟み…、そして毎日遅くまで調書に向き合う日々。
ただそれでも「仕事が忙しすぎるから勉強できないのは仕方ない」と、激務を免罪符にしてしまう方は要注意です。
合格していく同期たちも、全く同じように激務の中で戦っています。
仕事の忙しさを理由にテキストを開かない日が続くと、あっという間に本番を迎えてしまいます。



私はそもそも会計士試験も働きながら受験だったので平気でしたが、「働きながら勉強」という物自体に適応するには、ある程度慣れが必要です。
2. 短答・論文時代の過去の貯金に頼り切る
公認会計士試験を上位の成績で合格した人や、もともと地頭が良い人ほど陥りやすいのが
「会計や監査の基礎はできているから、直前の詰め込みでなんとかなるだろう」と高を括り、
本格的な勉強開始を秋以降に遅らせてしまうケースです。
確かに修了考査の監査実務等に関しては、確かに実務がかなり役に立つのでもしかしたらそれでもいいかもしれません。
ただ、経営実務、税務実務など、ほぼ監査法人では習得できないよう範囲については気合を入れて取り組むしかありません。
特に税務実務に関しては、論文式試験の時とは別次元の細かさが要求されるため、過去の貯金だけで乗り切ろうとすると足元をすくわれます。



いやー税務実務きついですよね…、範囲も広いしどこ出るかわからないし…、本当に気合入れて勉強が必要です。
3. 答練だけやればなんとかなると思っている
時間がない社会人受験生にありがちなのが、「答練だけやればなんとかなると聞いた」ということで、答練しかやらないで修了考査に挑むというものです。
これは特に修了考査の勉強会士が秋以降等、遅めの方によく見られる傾向です。
一昔前までは確かに答練だけやればなんとかなる…ということもあったようですが
合格率が超低迷した数年前以降(R1,R2とか40%台でした)は、それでは対応しづらくなっている印象です。
(まあ今でも運が良ければ合格できるのかもしれませんが…)
基本的には、講義→テキスト(インプット)→答練、という一般的な勉強スタイルは崩さないことが重要です。



修了考査の知識は、今後の会計士キャリアの中で役に立つものばかりなので、しっかり勉強しておくとこの先もご自身のためになります。
働きながら確実に合格を掴む!次へ向けた挽回戦略
不合格という事実を真摯に受け止めたら、次はどうやって激務の中で合格を勝ち取るかという戦術にシフトしなければなりません。
限られた時間の中で最大の成果を出すための、具体的な挽回戦略を解説します。
1. 「答練だけ」では厳しいが答練は重視する
働きながらの受験において、すべての範囲を網羅しようとするのは、まず不可能です。
修了考査は満点を取る試験ではなく、「他の受験生が取れる基本問題を絶対に落とさない試験」です。
ご存じかとは思いますが、修了考査は絶対評価の試験という建前になっていますが、実際は相対評価の試験です。
そして「他の受験生が取れる基本問題」というのはすなわち「答練で出題された箇所」に他なりません。
なので答練だけ、で合格は難しいですが、答練をやらずに合格、というのはかなり厳しいです。
答練で出題された箇所をベースに学習を進める、がもっとも効率よく勉強を進めるコツです。



修了考査の範囲は広い、本当に広いです。なので勉強の強弱をつけないととてもじゃないけど消化しきれません。「答練を活用した勉強」で、効率的な勉強をしましょう。
2. 勉強のピークを本試験に合わせる逆算スケジュール
多くの受験生が失敗するのは、勉強の開始が遅れることと、直前期に業務のピークが重なってしまうことです。
来年の試験日から逆算し、月単位、週単位での到達目標を細かく設定してください。
特に期末監査や四半期レビューの時期は、物理的にテキストを開けない日が続くことを前提にスケジュールを組む必要があります。
「この週は勉強ゼロでもOK」というバッファをあらかじめ設けておくことで、計画倒れによる精神的ダメージを防ぐことができます。



私は勉強しない期間があるとダメなタイプだったので、忙しい時期でも1時間は勉強するようにしていました。ご自身にあったスケジュールを「早めに」立てることが重要です。
3. 隙間時間の徹底活用と「やらないこと」の明確化
まとまった勉強時間を確保しようとするのではなく、通勤電車の中、昼休みの15分、クライアント先への移動時間など、日常に潜む隙間時間を徹底的にかき集めてください。
1日15分の隙間時間も、1週間積み重ねれば立派な勉強時間になります。
同時に、やらないことを明確にすることも重要です。
例えば、会社の不要な飲み会には参加しない、休日の娯楽を一時的に制限するなど、生活の中から試験勉強以外のノイズを削ぎ落とす覚悟が求められます。
修了考査の各科目の勉強方法についてはこちらで詳しく書いていますので、よろしければご覧ください。










監査法人の激務と勉強の両立に限界を感じたら
ここまで挽回戦略を解説してきましたが、中には「今の監査チームの残業時間や労働環境では、どう足掻いても勉強時間を捻出できない」と物理的な限界を感じている方もいるはずです。
法人内でのアサイン調整の打診
まずは法人内の制度や交渉カードを最大限に活用できないか模索してください。
試験直前の試験休暇を取得するのは当然として、それ以前の段階でアサインの調整をマネージャーやパートナーに直訴することも一つの手です。
法人によってはかなり柔軟に対応してくれるところもありますし、そもそも「修了考査前は残業禁止」となっているかもしれません。
修了考査に合格できない状態が続くことは、本人だけでなく監査法人にとっても不利益となります。
その点を踏まえ、出張の多いクライアントや慢性的に激務なチームからの配置転換を交渉することは決して逃げではありません。
自分のキャリアを守るための正当な行動です。
修了考査未了(落ちた状態)でも転職は可能なのか?
監査法人の環境を変えることが難しい場合、あるいは監査業務そのものへのモチベーションが完全に切れてしまった場合、いっそ転職してしまおうかという選択肢が頭をよぎるかもしれません。
結論から申し上げますと、修了考査に落ちた状態(公認会計士試験合格者・会計士補のステータス)であっても、転職市場での価値は非常に高く、引く手あまたです。
なぜ修了考査に落ちていても評価されるのか
転職市場において、企業側はあなたが修了考査に受かっているかどうかよりも、
難関の公認会計士試験を突破したポテンシャルと、監査法人で数年間上場企業の決算や内部統制の裏側を見てきたという実務経験を高く評価します。
特にインチャージを経験している場合、現場を回すプロジェクトマネジメント能力や、クライアントの経理部長クラスと対等に渡り合ってきたコミュニケーション能力は、一般事業会社の経理担当者にはない強力な武器となります。



もちろん会計士登録していることに越したことはありません。ただ実際に転職エージェントの私に求人依頼頂く多くの法人は、登録前の会計士でもぜひ!というところが多いです。
修了考査未了で狙える具体的な転職先
監査法人を飛び出す場合、以下のようなキャリアパスが現実的な選択肢となります。
1. FAS(財務アドバイザリー)やコンサルティングファーム
監査という過去を見る仕事から、M&Aや事業再生といった未来を作る仕事へシフトする王道ルートです。
Big4系列のFASや独立系コンサルファームでは、会計知識を持つ若手を常に求めています。
入社後に働きながら修了考査の合格を目指すことも十分に可能な環境が整っている企業が多いのも特徴です。
2. ベンチャー・スタートアップの経理財務(CFO候補)
上場を目指すスタートアップ企業にとって、監査法人の審査目線を知っている人材は本当に貴重な存在です。
決算体制の構築やIPO準備に直接コミットし、将来的なCFOを目指すキャリアです。
監査法人では味わえない、事業を自らの手で成長させる、そんなダイナミックな仕事を味わることができます。
まとめ:落ちた事実は変えられない。次にどう動くかがすべて
修了考査に落ちたという事実は、どれだけ悔やんでも変えることはできません。
しかし、その結果を受けて、来年どうやって激務の中で合格を勝ち取るか、あるいはこの機に監査法人を飛び出し、新しい環境で再スタートを切るかを選ぶことはできます。
一番やってはいけないのは、現状の激務に流され、なんとなく来年も同じように勉強不足で不合格を繰り返してしまうことです。
あなたは難関試験を突破し、最前線の現場を生き抜いてきた優秀な人材です。
次のリベンジに向けて学習計画を立て直すにせよ、転職市場に目を向けて自分の価値を確かめてみるにせよ、主体的に次のアクションを起こすことが、現状を打破する唯一の道です。
もし具体的なキャリアにお悩みでしたら一度私にご相談ください。
同じ会計士として、多くのキャリア支援をしてきた立場からアドバイスができるかと思います。
\ キャリア相談希望!とご記載下さい /





