・最終合格率:7.4%(前年と同率)
・論文合格率:35.1%(前年比1.7%減)
・合格者数:1,636人(前年比 33人増)
・合格ライン:得点比率52.2%以上
・現役会計士の視点:出願者が2.2万人を超え、競争は激化。

・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
こんにちは!とむやむくんです。
令和7年(2025年)の公認会計士試験の合格発表が11月21日(金)に行われました。
論文式を受験された方は8月から3ヶ月、長い長い合格発表待ちだったと思います、合格された方本当におめでとうございます!
(本当にお疲れさまでした…!!)
論文式の合格率は昨年からややダウンの「35.1%」
(ちなみに短答式は第Ⅰ回が「8.6%」第Ⅱ回が「6.0%」)
最終合格率は昨年と同じ「7.4%」
今回も短答式はミスの許されない厳しい戦いが、論文式は取るべきところは確実にとる堅実さが試される試験となりました。
本記事では、公認会計士・監査審査会が公表した最新の確定データをもとに、今年の試験結果を徹底分析します。
また、記事の後半では「残念ながら不合格だった方が、次にどう動くべきか」という、
予備校では教えてくれない「キャリアの損切りと再構築」についても、現場の視点で踏み込んで解説します。
今回は主に論文式について書いていきますので、短答式については以下の記事をご覧ください。
【令和7年】公認会計士試験の合格発表結果とデータ詳細
まずは、金融庁(公認会計士・監査審査会)から発表された確定データを見ていきましょう。
全体の願書提出者数・合格者数・合格率
今年の試験結果の全体像は以下の通りです。
| 区分 | 令和7年 | 令和6年 | 前年比 |
| 願書提出者数 | 22,056人 | 21,573人 | 483人増 |
| 論文式受験者数 | 4,665人 | 4,354人 | 311人増 |
| 最終合格者数 | 1,636人 | 1,603人 | 33人増 |
| 論文合格率 | 36.8% | 35.1% | 1.7%減 |
| 最終合格率 | 7.4% | 7.4% | 横ばい |
特筆すべきは、願書提出者数が22,056人となり、引き続き増加傾向にあることです。
論文合格率は35.1%で多少前回より低いですが、あとでも推移を示しますが、ほぼ例年通りといっていいでしょう。
合格者数は1,636人と昨年より33人増加しましたが、分母(受験者数)も増えたため、
合格率は7.4%で横ばいとなりました。
これは、試験の難易度が下がったわけではなく、
「上位層の厚みが増し、合格枠を奪い合う構図が変わっていない」
ことを示しています。
公認会計士試験合格率の推移を分析(論文式)

論文式の合格率の推移についてまとめてみました。
合格率が3割を超えているとしても難易度の高い試験であることは言うまでもありません。
合格基準点(ボーダーライン)は52.2%
今年の論文式試験の合格基準(ボーダーライン)は、得点比率52.2%でした。
偏差値52が目安と言われますが、今年はそれよりもわずかに高い水準が求められました。
(まあそもそも目安程度の数値と言われていますが…)
一応気を付たいところなのが「足切り制度」です。総合点が基準を超えていても、
1科目でも得点比率が40%未満の科目がある場合は不合格となります。
合格率7.4%という数字は、当然かなり低く厳しい試験であることは間違いありません。
論文受験者のうち実際に合格できたのは約35.1%(3人に1人)です。短答を突破した実力者同士の戦いがいかに過酷かが分かります。
【属性別】合格者の内訳データ(年齢・職業)
次に、どのような人が合格しているのか、令和7年の詳細データを見てみましょう。
以下出典:令和7年公認会計士試験の合格発表について
合格者の年齢層:平均24.6歳
最高年齢:54歳
最低年齢:16歳
平均年齢は依然として若いです、近年は本当にこのあたりで推移しています(昨年度も24.6歳でした)
しかし、最高年齢54歳も昨年度と全く一緒で、年齢が高いから合格できない、ということではないことがわかります。
50代でも正しい戦略で挑めば合格できるという証明であり、多くの社会人受験生の希望となるデータだと思います。
職業別:会社員の合格率は「狭き門」か
職業別の合格者構成比を見ると、学生優位の傾向は変わりません
会社員:89人(構成比 5.4%)
会社員の合格者が全体のわずか5.4%しかいないという事実は、当然「働きながら合格することの難易度」を物語っています。
フルタイムで働きながら、学生や専念組と同じ土俵で戦うには、相当な覚悟と効率化が必要です。
現役公認会計士が分析!令和7年の合否を分けた要因
合格率7.4%の壁を越えるために必要だったのは、奇抜な解答ではもちろんありません。
今年のボーダー52.2%という数字が示す通り、
「みんなが取れるAランク論点を、いかに落とさなかったか」
が勝負の分かれ目でした。
短答でもよく言われていることですが、偏差値勝負といわれる論文式においては
みんなが取れる問題をどれだけ落とさないか、が最重要になってきます。
受験者数の増加についてここで一度グラフを示しておきます。

こちらは短答式試験の出願者数です
(今回の合格発表で掲載されている短答式試験受験者数は第Ⅰ回・第Ⅱ回の重複申込者は除外されていので少し相違が出ます)
見てわかる通り、近年の受験者数の増加傾向は間違いありません。
受験者数に関してはこちらの記事もご覧ください。
確かに受験者数は増えてはいますが、戦略としては以前と基本的に変わりません。
むしろ以前にもまして、
周りの情報に惑わされず基本に忠実に、着実にこなしていけるかが合否を分けていると私は感じています。
(合格体験記を収集していて常々感じています)
【重要】残念ながら不合格だった方へ:撤退か継続かの判断基準
ここからは、少し厳しい現実的な話をします。
もしあなたが今回の試験で不合格だった場合、感情的に「来年も頑張る!」と即決する前に、一度冷静にデータを分析する必要があります。
公認会計士試験は「撤退のタイミング」を誤ると、履歴書の空白期間だけが伸びてしまうリスクがあります。
あと1年粘るべき人の特徴
- 論文の成績通知がよかった(成績通知がまだない方は手ごたえがあった)
- 不合格の原因が「特定の1科目の足切り」であり、他は合格水準にある。
- 20代中盤までで、経済的な余裕がある。
「監査トレーニー」という選択肢を知っていますか?
一方で、以下のような方は、戦略を変えるべき時期かもしれません。
- 短答式試験には受かるが、論文で何度も跳ね返されている。
- 専念生活が長く、職歴がないまま30歳が近づいている。
- 「会社員合格者 5.4%」の壁に挑む自信がない。
実は、今の転職市場において、「短答式合格者」や「論文受験経験者」は、極めて高い市場価値を持っています。
特に注目すべきは「監査トレーニー」という働き方です。
監査法人や会計事務所に正社員として雇用され、給与をもらいながら勉強し、試験休みも確保できる制度です。
「無職専念」のリスクを負わず、実務経験というキャリアを積みながら合格を目指せます。BIG4監査法人を含め、多くの法人が短答合格者を求めています。
「逃げ」ではなく「リスクヘッジ」としてエージェントに登録する
私が推奨しているのは、「勉強を続けながら、自分の市場価値を診断してもらう」ことです。
会計人材に特化したエージェントに登録し、自分の経歴でどのようなオファーが来るかを知るだけで、精神的な安定感が全く変わります。
「もし試験がダメでも、自分にはこれだけの選択肢がある」
この事実を知っているだけで、本番のプレッシャーが激減し、結果として合格に繋がった受験生を私は何人も見てきました。
無料で利用できるため、まずは「自分の値段」を知ることから始めてみてください。
公認会計士受験生・科目合格者の評価が高いエージェント
ヒュープロ(Hupro)
会計事務所・監査法人の求人に圧倒的に強いエージェント。AIマッチングで、今のあなたのスキル(短答合格など)で狙える求人が即座にわかります。「監査トレーニー」の求人も豊富です
「試験を諦める」のではなく、「実務家としてのキャリアをスタートさせる」という選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。
まとめ:7.4%の狭き門、それでも挑戦した価値はある
令和7年の合格率は7.4%という厳しい結果でしたが、1,636名の方が新たな公認会計士としての切符を手にしました。
合格された方は、これからの実務補習と就職活動、頑張ってください、ここまで超えられたあなたなら必ず大丈夫です!
そして、今回は結果が出なかった方も、ここまで積み上げた知識は決して無駄にはなりません。
撤退か、継続か、あるいはトレーニーか。ご自身の人生にとって最良の選択ができるよう心より応援しています。
今の自分の市場価値、気になりませんか?
試験勉強のリスクヘッジとして、まずは情報収集から始めましょう。



