・中小監査法人のメリットデメリットが知りたい方
・中小監査法人がおすすめな理由と求人の探し方が知りたい方
中小監査法人は意外かも知れませんが、かなりオススメなんです。
監査法人と言えばBIG4!他は考えてない!
なんて方もよく聞きます、他の監査法人は名前すら知らない、なんてことも…珍しくありません。
ですが実は知らないだけで中小監査法人は
ほぼ定時帰りでワークライフバランスが保てたり、年収がかなり上がったり、
大手等にはない魅力が多くあります。
この記事では中小監査法人に転職するメリットやデメリット、求人の探し方について紹介します。
中小監査法人に転職するメリット
早速ですが中小監査法人に転職するメリットは以下の通りです。
・成長スピードが速い
・非常勤への切り替えがしやすい
・様々なキャリアの人と知り合える
・年収が上がる場合が多い
それぞれ解説していきます。
残業が少ない
公認会計士試験合格後に大半の方が選ぶBIG4ですが、
激務!というイメージがやはりないでしょうか。
確かに忙しいです、間違いありません。
これにはいくつか理由が合って
・研修の量がとんでもなく多く、実務が全然進まない
・仕事は多いのに圧倒的に人員が足りない
正直無駄かな…と思えるような業務もBIG4には多く存在します。
その一方で、
中小監査法人は全体的に残業時間が少なく、期末時期以外は残業無し、という所も珍しくありません。
残業時間については法人のHPに載っていることはほぼありません。
ただ転職エージェントの求人票を見ると、月の残業時間の目安などが書いてあり、
月20時間以内、というところも珍しくありません。
そもそも監査法人は労働時間が7時間の所が多く、1時間一般企業よりも少ないので、
月20時間の残業でも残業無しと変わりません。
このようにワークライフバランスを整えやすいのが中小監査法人の大きな魅力です。
ワークライフバランスを保ちやすい職場についてはこちらの記事もご参照ください。
成長スピードが速い
BIG4等の大手監査法人は
・監査チームも数十人で編成されているケースも多い
担当する業務についてはかなり深く知識を付けることができますが、
監査全体を経験するのにどうしても時間がかかってしまいます。
また、昇進スピードも遅く、最も職位が上のパートナーになるのは入所15年程度、しかも狭き門です。
一方で中小監査法人は
・監査チームも小規模
なので担当できる業務の幅が広く、短い期間で監査全体を経験できます。
主査、と言われる現場の責任者の経験ができるのも中小監査法人の方が早いです。
さらにBIG4ではあまり経験できない、税務やアドバイザリーについても監査と合わせて経験できることもあります。
独立を考えている方は税務の経験ができるのはかなり大きいです。
(税務で独立する方がかなり多いですからね…)
昇進のスピードも速く、パートナーに30代でなる方も珍しくありません。
非常勤への切り替えがしやすい
非常勤への切り替えが知りやすい、というのも中小監査法人の大きなメリットです。
BIG4でも非常勤はありますが、なんといっても中小監査法人は非常勤の時給が高いです。
時給7000円というのは全然珍しくなく、
経験によっては時給10000円を超えてくるケースも普通にあります。
日給で言えば5万円が相場なので、月10日(週2,3日)の労働でも年収600万です。
様々なキャリアの人と知り合える
BIG4を辞めて中小監査法人で働いている方もかなりいらっしゃいますし、
非常勤として働いている方も多く、そういった方は独立しているケースが多いので、
本当に様々なキャリアの方と知り合うことができます。
BIG4で自分のキャリアの相談をしても、みなさん監査法人で働いたことしかありませんので、
昇進するためにはこういうことが必要で…、この人と仲良くしといた方が…
みたいな内部の話しか聞けません。
ですが中小監査法人であれば
独立したいなら絶対税務やっといた方がいいよ!
コンサルはね、楽しいよー早く経験した方がいいよ!
やっぱりIPOだよね、刺激があって退屈しないよ!
みたいな幅広い話が聞けて、将来の選択肢を広げることができます。
年収が上がる場合が多い
中小監査法人は実は年収が高めに設定されています(知っていましたか?)
これは単純に、お金が高くないと人が集まらないからです。
中小監査法人の非常勤の時給が高いのもこの影響です。
大手のブランド力がないため、名前も知られていない監査法人は無数にあります。
そのため、年収ベースで魅力的な提案ができないと選択肢にすら乗れません。
また、副業が認められているケースも多く(BIG4では原則不可です)
残業も少ないので、本業以外の収入源を得ることができ、全体的な収入を上げることが可能です。
副業についてはこちらの記事もご参照ください。
中小監査法人に転職するデメリット
中小監査法人に転職するのはメリットばかりではありません、デメリットとしては
・最先端の監査には触れにくい
・ブランド力が低い
それぞれ解説していきます。
海外駐在などには行きにくい
中小監査法人の場合、やはり大手と比べると海外拠点がなかったり、少なかったりする傾向があります。
そのため、海外駐在のチャンスがどうしても少なくなってしまいます。
将来的には海外で働きたい…!と強く希望されている場合は、大手監査法人を選んだ方がいいかもしれません。
最先端の監査には触れにくい
中小監査法人の場合、クライアントの企業も大企業、というよりは規模的には小さいものがどうしても増えてしまいます。
そのため、複雑な会計実務や大規模な企業合併など、そういった事象には出会いにくいです。
また、大手が実施している最新のITを利用した監査や、システムを利用することもできません。
更に言えば企業からの資料等がいまだ紙ベースであることが多く、データ上で管理されるよりやや煩雑な業務が増えています。
このように最先端の監査、となるとどうしても中小監査法人は苦手な分野になってしまいます。
ブランド力が低い
公認会計士と聞いて、
BIG4に勤めて毎日素敵なオフィスでお洒落なランチを食べて…
ということを想像してしまうかもしれませんが、
中小監査法人の場合はオフィスも小規模なことが多いですし、やはりブランド力としては弱くなってしまいます。
中小監査法人へ転職する際の注意点
全体的にメリットの多い中小監査法人ですが、気を付けなければいけないこともあります。
・離職率を確認しておく
・詳細な求人情報を得ておく
それぞれ解説していきます。
法人の特色をしっかり理解する
中小監査法人の場合、大手監査法人以上に法人のことをよく知っておく必要があります。
というよりも、数が多すぎてきちんと理解しないとどこに行ったらいいか分からなくなります。
(BIG4なんて4つですからね、把握できますけど)
例えば以下のようなことを気にしてみて下さい。
例:アドバイザリーにも力を入れている
・働き方はどうか?
例:在宅勤務割合、残業時間
・働いている人数はどれ位か?
例:10人での小規模運営
特に法人の強み、ということろは重要です。
監査以外にもキャリアを積んでいきたい、という方の場合はアドバイザリーや税務に触れられる法人がいいですし、
監査でも例えば大学などのパブリック系の監査を経験したいということであれば、そこを強みにしている法人を選ぶべきです。
これらは結局面接のときに、「なぜこの法人を選んだのか?」という質問対策で考えることになりますから、しっかり考えておきましょう。
離職率を確認しておく
公認会計士の離職率は一般的なものと比べて、かなり高めになっています。
5年もすると同期のほとんどがいなくなってしまった…なんてことはあるあるです(すごいですよね)
ですが、本来高めである離職率が、低い法人があるとするならば、そこは公認会計士にとってかなり魅力的な職場と考えていいです。
待遇がものすごくいい、とか
キャリアを考える上で良い経験をつめる、とか
もちろん中の人達の関係が良好、ということもあるはずです。
離職率は法人を選ぶ際に気を付けておきましょう。
詳細な求人情報を得ておく
求人情報を確認する場合はついつい「年収」「残業時間」などの項目に注目しがちですが、
その他の情報にもしっかり目を通しておきましょう。
先程の法人の強みを知る上でも有益ですし、
入ってからこんなはずじゃなかった…とならないためにもしっかり調べておきましょう。
中小監査法人の求人の探し方のおすすめ
さて、先ほど中小監査法人へ転職する際の注意点を3つ書かせていただきました。
法人の強みを知る、離職率を確認する、詳細な求人情報を得る
この3つです。
求人情報を収集する最も簡単な手段は法人のHPの採用情報を見に行くことです。
ですがHPには、まず離職率等の詳細な求人情報は掲載されていません。
(なんなら年収すら載っていなくて「法人の規定による」なんて書き方をされていることも普通にあります)
更に言えば、名前も知らない中小監査法人を調べて求人情報を網羅的に収集することは個人ではほぼ不可能です。
なので中小監査法人の転職にはエージェントの利用が必須になっています。
詳細な求人情報ももちろん掲載されていますし、
「残業が少ない」「税務の経験ができる」「年収が高い」
等の複合的な情報から求人を探すことも紹介してもらうことも可能です。
(こんなのは各法人のHPを見に行くだけでは何時間かかかるかわかりませんよね)
中でも公認会計士・監査法人という特殊な業界の求人に関してはその業界に特化したエージェントの利用がおすすめです。
私が利用していたのはこちらのエージェントです、よろしければ登録して求人情報を見て見て下さい。
中小監査法人の転職についてよくある質問
大手監査法人(BIG4)と中小監査法人でどれ位年収が違うのですか?
私が転職活動をしたり周囲の話を聞いている感じからすると、中小監査法人の方が年収ベースで100万円位高いイメージです。大手と比較して年収を高めに設定しないと人が集まらない…ということから一般的に高めに設定されているようです。
中小監査法人でもIPOには関与できますか?
IPOに関しては大手監査法人の方がどうしても触れる機会は多いですが、中小監査法人でも経験できることはあります。その場合は求人情報に、うちはIPO多いです!ということが書いてあることが多いですから、よく確認するようにしてみて下さい。
大手監査法人(BIG4)と中小監査法人の非常勤の時給はどれ位違うのですか?
時給ベースで言えば3,000円位中小の方が高いことがほとんどです。大手の非常勤の時給はそこまで高くありませんし、あまりオープンに募集もしていないことが多いです(内部での募集が多いです)。一方で中小監査法人は外部からも積極的に経験者を採用していますから、魅力的な時給を提示してくれます。
中小監査法人にも監査トレーニー採用はありますか?
中小監査法人にももちろん監査トレーニーに該当する採用があります。むしろおすすめです。こちらの記事もご参照ください。
中小監査法人から大手監査法人(BIG4)に転職することは可能ですか?
中小監査法人の経験を活かしてBIG4に転職することはもちろん可能です。ただ周りを見ているとBIG4から中小監査法人に転職してきた方が戻っていく…というケースはあまりみないので、中小がやはり働きやすいんでしょうね…。
中小監査法人ってなんですか?
正式な決まりはありませんが、大手監査法人(BIG4)以外のことを総括してそう呼ぶことが多いです。
資格なしで監査法人に就職することはできますか?
公認会計士などの資格がないと入れないイメージのある監査法人ですが、実は資格がなくても就職は可能です。こちらの記事もご参照ください。
中小監査法人の監査アシスタントってどう?
監査アシスタントは資格なし・未経験でも応募でき、公認会計士のアシスタントをする仕事です。当然中小監査法人でも募集しており、かなりおすすめの働き方になります。監査アシスタントについてはこちらの記事もご参照ください。
中小監査法人に転職するメリットとデメリット、求人の探し方まとめ
大手監査法人にはない魅力が中小監査法人には多くあります。
ですが中小監査法人は数も多く、名前すら知らない、なんてことも珍しくありません。
しっかり求人情報を調べていけば、必ず魅力的な法人があるはずです。
公認会計士のキャリアの一つとして、ぜひ検討してみ下さい。
参考になれば幸いです。