公認会計士はやめとけ?後悔する5つの理由と向いている人を現役会計士が解説

この記事は以下の方におすすめ
・「公認会計士はやめとけ」と言われ、不安になっている方
・試験の難しさや挫折率、勉強時間を知ってから判断したい方
・社会人や30代から目指すのは無謀なのか迷っている方
・勉強がしんどく、続けるか撤退するかを考えている受験生
とむやむくん公認会計士を無条件に「やめとけ」とは思いません。ただ、時間・費用・継続できる環境、これらを作れないまま始めるのはおすすめしません。
・30代で働きながら公認会計士試験合格
・修了考査合格、公認会計士登録済、現在独立、転職エージェントとしても活動
・SNSフォロワー1万人超アカウントで情報発信中
公認会計士について調べると、SNSや掲示板で「やめとけ」「食えない」「勉強がしんどすぎる」という言葉を見かけます。
これから何年も勉強するかもしれないのに、そんな言葉を見たら不安になりますよね。
先に結論をお伝えすると、公認会計士は全員におすすめできる資格ではありません。
ですが、難関であることだけを理由に諦める必要もありません。
大切なのは、他人の「やめとけ」ではなく、試験と仕事の現実を知ったうえで、自分が必要な時間・費用・生活の変化を受け入れられるかを判断することです。
結論|公認会計士はやめとけと言われる5つの理由
「公認会計士はやめとけ」と言われる理由は、資格そのものに価値がないからではありません。
合格までの負担と、合格後の働き方を軽く見たまま目指すと後悔しやすいからです。
| やめとけと言われる理由 | 実際に重い負担 | それでも向いている人 |
|---|---|---|
| 試験が難しい | 短答式・論文式を突破するまで長期化する可能性がある | 分からない論点を反復し、淡々と続けられる人 |
| 時間と受講料がかかる | 勉強時間だけでなく、仕事・収入・学生生活との機会損失がある | 期間と予算の上限を決め、途中で見直せる人 |
| 仕事や生活と両立しにくい | 社会人は平日・休日の多くを勉強に使うことになる | 家族や職場と調整し、継続時間を確保できる人 |
| 合格後も忙しい時期がある | 監査法人の繁忙期や学び直しは避けにくい | 勤務先やキャリアを比較し、自分に合う働き方を選べる人 |
| 資格だけで成功は決まらない | 年収・仕事内容・将来性は経験と選択で差が出る | 資格取得後も専門性や対人スキルを磨ける人 |
「難しいからやめる」でも「難関資格だから絶対に取る」でもなく、自分の環境で続けられるかを確認して決めるのが結論です。
SNSや掲示板の「やめとけ」は、投稿した人がどんな環境にいるのかは当然分かりません。意見そのものより、その人が何に後悔したのかを分けて読むといいと覆います。
私自身も受験時代多くの方に、「公認会計士なんてどうせ受からないんだからやめとけ」と何度も言われて過ごしてきました。
さらに言えば「合格しても食えないよ」と。
少し頭には来ましたが、受かってない人のひがみ、と思い込んで完全に無視して勉強をつづけました。
受かったら絶対見返してやる、その思いは他の人よりもとんでもなく強かったと思います。
理由1|公認会計士試験は難しく、全員が合格できるわけではない
公認会計士試験が難関であることは間違いありません。
最新の令和8年第Ⅱ回短答式試験は出願者数17,594人に対して合格者995人で、単純計算では約5.7%。
令和7年試験の最終合格率も、出願者22,056人に対して最終合格者1,636人の7.4%です。
| 試験データ | 人数 | 割合・基準 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 令和8年第Ⅱ回短答式 | 出願者数17,594人/合格者995人 | 約5.7%、総点数70%以上 | 短答式1回分の結果 |
| 令和7年最終結果 | 出願者22,056人/最終合格者1,636人 | 最終合格率7.4% | 出願者を分母にした年間結果 |
出典:公認会計士・監査審査会『令和8年第Ⅱ回短答式試験結果、令和7年試験の合格発表概要』
ただし、合格率がそのまま「あなたが挫折する確率」になるわけではありません。
短答式の再受験者や免除者がいて、勉強期間や受験準備の状況も人によって違うからです。
難易度の高さは事実ですが、「一度受けて9割が永久に脱落する」という意味ではありません。

理由2|勉強時間と費用だけでなく、機会損失がある
受験で失う可能性があるのは、予備校代と勉強時間だけではありません。
- 学生なら、就職活動・アルバイト・サークルに使える時間
- 社会人なら、残業代・昇進・転職・家族との時間
- 受験生全員に共通する、睡眠・運動・友人関係への影響
- 勉強が長期化したときの焦りや自己否定
もちろん、勉強した会計知識がすべて無駄になるわけではありません。
会計士試験に試験に挑んできたというステータスは、転職市場でも間違いなく評価されるからです。
(実際に企業の方たちがそう言っていました)
ですが受験に関して言えば、ここまでやったし合格しないと無駄になる…というだけで続けると、撤退判断が遅れることがあります。
受験開始前に決めたい4つの上限
・1週間に確保できる勉強時間
・予備校代や教材費に使える予算
・何回または何年で計画を見直すか
・合格しなかった場合に取る資格・職歴
「絶対に受かるまで続ける」より、見直す時期を最初に決めておく方が、むしろ安心して勉強できます。
理由3|社会人は仕事・家族・勉強の両立がめちゃくちゃ大変
社会人から公認会計士を目指すことは無謀ではありません。私自身、30代で働きながら合格しました。
ですが、専念受験生と同じ生活はできません。残業、通勤、家事、育児がある中で、勉強時間を作る必要があります。
「気合いで何とかする!」というのはもちろん大事なのですが、もっと細かい所で考えておくことが重要です。
- 平日の固定勉強時間を確保できるか
- 繁忙期でも最低限の学習を続けられるか
- 家族に試験の期間と負担を説明できているか
- 仕事を減らす・転職する・休職する選択肢があるか
- 睡眠を削らずに回せる計画か
社会人受験は、能力よりもどんな生活設計をして受験を続けられるかが重要だと私は思います。
参考までに私の受験時代の環境を書くと…
・平日勉強時間:5時間
・休日勉強時間:10時間or3時間
・残業:極力しない
・遊び:極力いかない
予定が狂った場合、正直巻き返す方法はないのでスケジュールを組みなおしていました。あと、睡眠時間は絶対に6時間は確保すること、仕事と勉強の両立は長期間になるので睡眠超重要です。
理由4|合格後も繁忙期と継続学習がある
公認会計士試験に合格したら、そこからもう天国!になるわけではありません。
多くの合格者が入る監査法人には繁忙期があり(しかも入所してすぐあります)、その後も役職についたり、クライアントによっては長時間の残業や調整業務が増えます。
会計基準、監査基準、税務、IT…、合格後も学び続ける必要があります、一生勉強です。
一方で、働き方は一つではありません、監査法人だけが会計士の働き先ではありませんからね。
「監査法人で忙しい時期がある」ことと、「公認会計士になったら一生激務」は同じではないということです。
非常勤だけで生活してみたり、自分で事業を立ち上げて自由に働いてみたり…
働き方は自分で選ぶことができる、これは公認会計士の強みであると思います。
合格後の働き方まで調べずに受験を始めると、資格への期待と現実がずれやすくなります。年収だけでなく、繁忙期・転勤・担当業務・将来の選択肢も確認しましょう。
理由5|資格を取れば自動的に高年収・安泰ではない
「公認会計士になれば全員がすぐ年収1,000万円」「資格さえあれば仕事に困らない」と考えているなら、それは少しは違うかもしれません(まあ儲かるは儲かるとは思いますが)
公認会計士は専門性の高い資格ですが、年収は役職や経験年数、さらに勤務先、独立の状況で変わります。
資格は強い土台には間違いなくなります。ただ、今後のキャリアの結果まで保証するものではありません。
多くのケースでは正直1,000万円は超えるとは思います。
ですがそれは楽して稼いでるわけではなく、当然そこにはそれ相応の苦労や負担があります。
給料に見合うだけの知識は常に磨いていかなければなりません。

公認会計士になって後悔した人はどのくらい?
当サイトでは約50人の公認会計士・公認会計士試験合格者に、
『公認会計士になってor公認会計士試験に合格してよかったか?』
というアンケートを実施しました。
【質問】
— とむやむくん|会計士ブログ (@jCsWLei5YAWlILi) May 4, 2024
公認会計士になってor会計士試験に合格してよかったと思いますか?受験生向けブログの参考にさせていただきます(コメントもあればぜひお願いします)
| 回答 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| なんだかんだなってよかった | 29人 | 61% |
| 時間もお金もかかり、やめとけばよかった | 7人 | 15% |
| 激務すぎて、やめとけばよかった | 11人 | 24% |
「なってよかった」が過半数だった一方、39%は時間・費用または激務への後悔を回答しています。
正直、現場でお会いする会計士の方々は結構みなさん、取ってよかった、会計士資格がない働き方なんて考えられない、というかたが大半ですから意外な結果でした。
ただもちろん回答していただいた方の環境は全くわらかないですし、会計士は不満があれば職場環境を変えやすいので、自分が望むような環境を作れている方は、おおむね満足して印象です。
公認会計士をやめといた方がいい人・向いている人
向き不向きは、学歴や地頭だけでは決まりません。むしろ、勉強を続ける環境と、合格後に何をしたいかの方が重要です。
| やめといた方がいい可能性が高い人 | 向いている可能性が高い人 |
|---|---|
| 高年収だけを目的にし、仕事内容には関心がない | 会計・監査・企業活動を理解することに関心がある |
| 数週間だけ無理をして、その後まったく続かない | 短時間でも学習を習慣にできる |
| 受講料や生活費の見通しがない | 予算と学習期間を試算している |
| 家族や仕事への影響を相談できていない | 周囲と調整し、必要な時間を確保できる |
| 不合格時のキャリアを考えたくない | 簿記や職歴など、途中でも残るものを意識できる |
| 他人の期待だけで目指している | 資格取得後にやりたい仕事がある |
努力が続く人は確かに強いです。
ですが、続けられない原因が本人の根性ではなく、長時間労働、家計、育児、体調にあることもあります。
環境を変える余地がどこまであるか、そのうえで受験が可能かまでしっかり考えるようにしましょう。
大学生・社会人・受験生別の判断基準
大学生|就職活動までの期限と大学生活を比べる
大学生は社会人より勉強時間を確保しやすく、早く合格できれば就職の選択肢も広がります。
一方で、受験に集中するあまり単位、卒業、就職活動を放置するのは危険です。
いつまでに短答式へ到達できなければ就職活動も進めるか、先に決めておきましょう。
社会人|無謀ではないが、生活の組み替えが必要
社会人からでも合格は可能です。
ですが、今の仕事をそのまま続け、睡眠も趣味も減らさず、短期間で合格する計画は現実的とは言えません。
残業の少ない部署や職場へ移る、通勤時間を減らす、家事分担を見直すなど、勉強法より先に生活を変える必要が出てきます。
受験中の人|つらい一日だけで撤退を決めない
答練の点数が悪かった日や、不合格直後は「もうやめたい」と感じて当然です。
その日の感情だけで決めず、直近3か月の勉強時間、答練の推移、苦手科目、生活への影響を並べて判断してください。
簿記2級を持つ人|会計が好きか確かめる材料になる
簿記2級から公認会計士を目指す人は多く、私もその一人でした。
ただし、公認会計士試験は簿記だけではありません。
企業法、監査論、管理会計論などへ範囲が広がり、簿記2級の延長だけで合格できる試験ではない点は知っておきましょう。

公認会計士の勉強がしんどい時の4つの選択肢
勉強がしんどいとき、選択肢は「根性で続ける」か「完全に諦める」だけではありません。
| 選択肢 | 検討しやすい状態 | 次にすること |
|---|---|---|
| 今の計画を続ける | 成績が伸び、睡眠や生活も維持できている | 月単位で進捗を確認する |
| 計画・予備校・科目配分を変える | 勉強はしているが、同じ失敗を繰り返している | 講師や合格者へ具体的に相談する |
| 一時休止する | 体調、仕事、家庭の事情で学習継続が難しい | 再開条件と休止中に守ることを決める |
| 撤退して別の道へ進む | 期限・予算を超え、他のキャリアを優先したい | 簿記・会計知識・職歴を次へつなげる |
撤退は失敗ではありません。続けることにもコストがあり、辞めることで守れる健康・家計・キャリアがあります。
反対に、単に模試の点数が一度悪かっただけなら、計画を修正してから判断しても遅くありません。

それでも公認会計士を目指す価値はある
ここまで厳しい話をしましたが、私は公認会計士を目指したことを後悔していません。
- 会計・監査という専門性を身につけられる
- 監査法人、事業会社、アドバイザリー、独立など選択肢がある
- 働き方と経験によって収入を伸ばせる可能性がある
- 学んだ会計知識が、別のキャリアにも残りやすい
ただし、これは「誰にとっても取れば幸せになる」という意味ではありません。
公認会計士の仕事に興味があり(これが前提です)、必要な努力を続けられる人にとって、挑戦する価値があるということです。
合格前には漠然としていた公認会計士の働き方ですが、実際働いてみて本当に夢のある資格だなと感じています。
監査法人を出てからなおさら感じています、こんなにいろんなことができるのか、と。
公認会計士、私は素敵な資格だと思います。
公認会計士はやめとけに関するよくある質問
- 公認会計士は食えない資格ですか?
-
「資格を取っても一切仕事がない」とまでは考えにくいですが、資格だけで高年収が保証されるわけでもありません。勤務先、経験、役職、勤務日数、独立後の案件獲得によって収入は変わるため、具体的なキャリアまで見て判断しましょう。
- 公認会計士試験の挫折率はどのくらいですか?
-
「勉強を始めた人のうち何%が撤退したか」を示す公式の統計はありません。さらに言えば合格率には再受験者や短答免除者なども関係するため、合格率をそのまま挫折率として扱わない方が安全です。
- 公認会計士の勉強がしんどいならやめるべきですか?
-
しんどいという感情だけで、すぐ撤退する必要はありません。体調、生活、成績の推移、期限、予算を確認し、計画変更や一時休止も含めて判断してください。健康を崩している場合は勉強より休養を優先しましょう。
- 社会人から公認会計士を目指すのは無謀ですか?
-
無謀ではありません。筆者も30代で働きながら合格しています。ただし、残業や家事を含めた生活のまま勉強時間だけを足すのは難しく、職場・家族・家計を含む生活設計が必要です。
- 30代から公認会計士を目指すのは遅いですか?
-
年齢だけで不可能とはいえませんが、合格までの期間と合格後の転職先は20代と同じではありません。現在の職歴をどう活かすか、収入低下に耐えられるか、家族の理解を得られるかを先に確認しましょう。
- 大学生なら公認会計士を目指すべきですか?
-
会計や企業活動に興味があり、勉強時間と受講費用を確保できるなら有力な選択肢です。ただし、大学の単位や就職活動を放置せず、いつ計画を見直すかも決めておきましょう。
- SNS等で「公認会計士はやめとけ」と言われるのはなぜですか?
-
試験の長期化、受講費用、監査法人の繁忙期、期待した年収とのずれなど、投稿者が後悔した点を短い言葉で表しているケースがあります。匿名投稿は背景が分からないため、理由を分解して自分に当てはまるか確認してください。
- 公認会計士の仕事はAIでなくなりますか?
-
定型的な集計や照合が効率化され、仕事の中身は変わる可能性があります。一方で、会計判断、監査上の評価、説明、交渉など人が責任を持つ領域もあるため、「すぐ全仕事がなくなる」「何も変わらない」のどちらにも断定しない方がよいです。
まとめ|「やめとけ」ではなく、自分の条件で判断する
公認会計士は、簡単に取れる資格ではありません。
試験の難しさ、時間と費用、社会人の両立、合格後の繁忙期、資格取得後も努力が必要なこと。これらは受験前に知っておくべき現実です。
ですが、負担を理解し、自分の生活に合う計画を作れるなら、他人の「やめとけ」だけで諦める必要もありません。
- 試験に使える時間と予算を見積もる
- 見直す期限と不合格時の選択肢を決める
- 公認会計士の仕事内容と働き方を調べる
- 大学生・社会人・受験中の自分に合う判断をする
- 続ける、計画変更、休止、撤退を定期的に選び直す
目指すことも、途中で道を変えることも、どちらも真剣に考えた結果なら間違いではありません。
これを読んでいる方が後悔のない選択をできますよう、応援しております。






